妻の不倫に関する将来の離婚・財産分与放棄の取り決めを法的に有効にするには?

妻が不倫をしました。妻は専業主婦であり、慰謝料を支払う経済的余裕はありません。むしろ、財産分与によって私(夫)の方が金銭的に不利益を被る可能性があります。そのため今回は離婚には至らず、以下の内容で妻と取り決めをしました。

1. 今後離婚することになった場合、妻は財産分与を放棄すること

2. 将来、私(夫)が離婚を望んだ場合には、その理由の有無にかかわらず、妻は直ちに離婚に応じること

妻はこれらの内容に同意しています。
この約束を法的に有効な形にしておきたいと考えていますが、公正証書にすることは可能でしょうか?
もし公正証書にできない場合、どのような手段で法的拘束力のある合意として残すことができるでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。

申し訳ありません。
3文目の「むしろ」から始まる3文目は不要な情報でした。財産分与に関係なく、今は離婚するつもりはありません。

財産分与などは離婚に伴い離婚時で判断されますので、離婚意思が不確定な段階での1と2の取り決めはたとえ公正証書を作成しても、妻が離婚時に反意すれば無効になる可能性を否定できませんのでリスクがあります。現時点で離婚の意思があるのであれば、慰謝料は、不貞相手に請求できます。また、合意書に①離婚をすること、②財産分与はお互いの名義で分ける、③年金分割の割合の合意(原則0.5になりますが、その割合を有利にしておく。なお、公的請求ですので、放棄させても後日請求できます。割合は当事者間で合意できます。)をしておく、④それ以外については不貞慰謝料、離婚慰謝料を除き債権債務関係がないことを確認しておく等の方が「財産」的点を重視するのであれば合理的かと思います。書面の作成は法律的に難しい点も含みますので一度弁護士に面談相談をお勧めします。ご参考にしてください。

肥田先生
ご丁寧なご回答をありがとうございます。離婚に至っていない段階での取り決めには、たとえ公正証書にしても法的拘束力に限界があるという点、非常に参考になりました。また現時点ではすぐに離婚する意思はないのですが、今後の可能性を見据えて、いただいたご助言の通り、慰謝料の請求先や年金分割、債権債務関係の明確化など、具体的な離婚時の整理項目についても勉強になりました。ありがとうございます。

最後に、もう一点教えていただけますでしょうか。
離婚意思が不確定な段階では財産分与放棄が無効になるリスクがあるとのことですので、公正証書に記載する内容を以下のように検討し直しました。

・今回の不貞行為に対して、妻は慰謝料として1000万円(無理なら500万円などなるべく高額)を支払うことに合意する。
・ただし、将来離婚する際に妻が財産分与の一切を放棄した場合には、慰謝料の支払い義務はなくなるものとする。
・なお、財産分与の放棄が無効と判断された場合には、慰謝料の支払い義務は引き続き有効とする。

このような内容で合意をしておくことで、財産分与放棄が無効とされるリスクを軽減できるのではないかと考えましたが、どうでしょうか?もちろん、リスクを完全にゼロにできるとは考えておりません。この方向性について、ご意見をいただけましたら幸いです。