旅行手配で起こったトラブルに関する賠償責任問題、旅行サービス手配業者の責任範囲と対応策は?
<旅行業の区分、観光・旅行業界に詳しい方へ>
弊社は旅行サービス手配業を営んでいます。旅行会社から依頼を受け、手配業務のみを行います。クライアントは旅行会社であり、一般消費者=旅行者は顧客ではありません。
弊社が直接手配したフリーランスのガイドに問題があり、旅行者からクレームが来ました。旅行者は旅行会社に返金を求め、旅行会社はそのガイドを手配した弊社に責任があるとして賠償金を求めてきました。
このような場合、弊社はどう対応できますでしょうか。
ガイドに責任がある、という理解ですが、ガイドさまは個人のフリーランスの方であるため賠償金を支払うことはできず、こちらに責任が回ってくる可能性が高いのではと考えています。
リスクヘッジのために賠償責任保険に入りたいのですが、適切な商品がない/保険会社の方も事例や知見がない状態です。
旅行サービス手配業の業務内容で、どのような賠償責任が発生するか、それがどう保険でカバーできるのかを整理したく質問させていただきました。
旅行業法の改正により、平成30年1月4日以降に日本国内において、いわゆるランドオペレーター業務(※)を行うには、都道府県知事の「旅行サービス手配業」の登録が必要になりました。
※「ランドオペレーター業務」とは、報酬を得て、旅行業者(外国の旅行業者を含む)の依頼を受けて行う、以下のような行為です。
・運送(鉄道、バス等)又は宿泊(ホテル、旅館等)の手配
・全国通訳案内士及び地域通訳案内士以外の有償によるガイドの手配
・免税店における物品販売の手配
このような業務の内容からすると、旅行サービス手配業者が善良な管理者の注意をもってガイドの手配をしたと言えるのであれば、この手配する債務は完了しており、手配したガイドがその後に起こしたトラブルの責任を旅行サービス手配業者は原則として負わないように思われます(ただし、手配にあたってしっかりガイドを選定したと言えるようにしておく必要があるでしょう)。
以上のような観点から、旅行会社に対しては、貴社には債務不履行がなく、旅行会社の求める賠償責任は負わない旨を主張して行くことが考えられるかと思います。
より詳しくは、お住まいの地域等の法律事務所等に直接相談してみてもよろしいかと存じます。