不当解雇裁判で被告企業が負うリスクと対策は?
不当解雇の裁判について教えてください。
昨年10月末に解雇した社員と
裁判外の交渉で揉めております。
裁判になりそうです。
私は被告会社側人事部スタッフです。
以下教えてください。
①一般的に、
被告企業にとっては、
不当解雇で、
解雇者から弁護士を立てられるなど、
キバを向けられるのは
やはり痛いものですか?
といいますのも、
解雇した社員から
訴えられそうなのに
社長がシャーシャーとしており。
無理やりの解雇をした張本人なのですが。
年収の高い社員だったので、
バックペイだけでも
すでに500万円近くになります。
バックペイの負担はもちろんのこと、
もし裁判で判決まで取られるようなことになるなら、
他の従業員への示しもつかなくなるのでは?
と危惧しております。
すでに裁判前の交渉で
こちらが圧倒的に不利で、
今はもう反論をせずに、
相手の訴訟を待っているところです。
(社長が、交渉では、もう反論するな!
訴訟で証拠を出せば良い!
と何の根拠なのか、とても強気です。
顧問弁護士もアドバイスをしているようですが、そのまま事態は改善せず、訴訟になりそうです。)
社長は議論の中で、
その解雇者に、
プライドを傷つけられたらしく
"オレは許さない!復職させない!"
と子供のように言っております。
②このように、
ずるずると交渉を引き延ばしている間に、
そのうち転職をするだろうと、
社長なりに作戦を立てているようですが。
このように復職をさせないために、
ずるずると交渉を引き延ばすのも作戦としてありますか?
バックペイだけでも、
訴訟で負けたら3000万円くらいになりそうですが。
①一般的に、被告企業にとっては、不当解雇で、解雇者から弁護士を立てられるなど、キバを向けられるのはやはり痛いものですか?
→対応に時間や労力もとられますので、その意味では痛いかもしれませんね。
なお、裁判や判決になってもそのことは公に公開されるものではありませんので、示しがつかなくなるということはないようには思います。
②このように、ずるずると交渉を引き延ばしている間に、そのうち転職をするだろうと、社長なりに作戦を立てているようですが。このように復職をさせないために、ずるずると交渉を引き延ばすのも作戦としてありますか?
→引き延ばしても、労働者側は賃金仮払いの仮処分手続きの手段を取られるだけですので、そのような作戦は聞いたことはありません
具体的な事実関係等が定かでありませんので、一般的な回答となりますことをお含みおきください。
①一般的に、被告企業にとっては、不当解雇で、解雇者から弁護士を立てられるなど、キバを向けられるのはやはり痛いものですか?
→弁護士ですと、解雇事由が違法か否かについて専門的な知識、経験を有しておりますので、労働法規上の正当な根拠がない場合に会社側の主張を通すのは難しくなる場合が多いかと思われます。
もっとも、依頼者本人(労働者)の意向もありますが、一定の落し所をもって交渉に当たることもあり、早期解決を実現することも可能になる場合もあります。
弁護士を立てられたり裁判を提起されると、会社側も弁護士に依頼して、長期的な対応が必要になり、最終的にはバックペイが生じるおそれもあるため、解雇を争われるのは、時間や費用の観点からも負担が大きいと思われます。
②このように、ずるずると交渉を引き延ばしている間に、そのうち転職をするだろうと、社長なりに作戦を立てているようですが。このように復職をさせないために、ずるずると交渉を引き延ばすのも作戦としてありますか?
→労働者の資力との関係で、交渉や裁判を長期に行うことで労働者の余力がなくなり、労働者側から会社寄りの解決案を受け入れるといった対応をさせるという作戦として考えられるところです。
もっとも、ご認識のとおり、バックペイや裁判になった際のレピュテーションリスクを考慮すると得策とは言い難いのではないかと考えられます。
仮に、裁判になり敗訴判決が出た場合、会社名が記載されて裁判例として書籍に掲載されたりニュースとなる可能性がありますので、社会的な印象が大きく下がるリスクはございます。