パワハラ未対応の会社からの出勤命令への拒否は可能?
私は2024年4月に親会社(大企業)へ新卒入社し、5月頃から以下のようなパワハラを受け、2025年1月に適応障害と診断されました。
【これまでの経緯】
・親会社で、研修中に残業代未払いや勤務時間切り捨てについて上司に改善を求めた結果、報復的に子会社への在籍出向を命じられた。
・出向先の子会社代表取締役から、出向理由として「会社にとって必要ない奴だから」「問題児で更生させる必要がある」と告げられ、適性や業務上の必要性は「ない」と明言された。(音声録音あり)
・出向先でも残業代未払い・勤務時間切り捨てが続き、是正を求めたところ、段ボール作りや梱包作業などの単純労働 しか与えられず、社員業務は一切させてもらえなかった。
・2025年3月に親会社・子会社・加害者3名の合計5者に対して内容証明を送り、パワハラ等違法行為の是正を求めたが、現在まで1か月以上、完全に無視されている。
復職に向けた話し合いでも、パワハラ加害者の一人としか連絡できない状態。
現在、会社は出向先に戻すのではなく、別の職場への異動を検討しているようだが、パワハラについて調査や認定もせず、是正措置も取られていないため、また報復人事を受けるのではないかと恐れています。
【質問】
① 会社がパワハラに対して調査や是正措置を一切取っていない状況で、出勤命令が出ても、拒否して大丈夫でしょうか?
※復職願を提出したのは、「会社がパワハラについて対応する」ことが前提でした。
② 会社がパワハラ自体を認めず、調査もせず、是正措置も取っていない中で、単に「元の職場とは違う職場へ異動させる」だけでは、会社が必要な対応を取ったとは言えないのではないでしょうか?
(=新しい職場でも、また不利益な取り扱いや報復人事をされるリスクが残ると考えています)
【補足】
休職期間は2025年1月6日~4月18日までで、現在は復職可能との診断を受けています。
内容証明の送付先は親会社・子会社の法人代表者、及び加害者個人です。
経済的事情から現在薬物治療は受けていませんが、医師から適応障害の診断書を複数回取得しています。
ナカヤマ事件・福井地裁平成28年1月15日・労働判例1132号5頁を参考にしています。
まず、ご相談内容につきましては、具体的な事実関係等が重要になりますので、詳細は弁護士にご相談いただくのがよいと思われます。
その上でご質問について回答いたします。
① 会社がパワハラに対して調査や是正措置を一切取っていない状況で、出勤命令が出ても、拒否して大丈夫でしょうか?
→出勤命令を拒否し、欠勤した場合、業務命令違反として、解雇事由になる可能性があるものと考えられます。
ナカヤマ事件については、違法な配転命令であるとして有効性を争ったことから、出勤しなかったことが問題にならなかったのではないかと思われます。
② 会社がパワハラ自体を認めず、調査もせず、是正措置も取っていない中で、単に「元の職場とは違う職場へ異動させる」だけでは、会社が必要な対応を取ったとは言えないのではないでしょうか?
→会社内にパワハラに関する内部通報窓口等があるかなどの事実関係にも左右される可能性があります。
相談窓口に相談したにもかかわらず、調査等がされていないといった場合には、会社が必要な対応をとったとは判断される可能性は低いのではないかと考えられます。
もっとも、ご相談内容については、本法律相談での回答範囲を超えてしまいますので、弁護士にご相談することをおすすめします。