署名が偽造だった場合
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三者で合意書を結ぶ予定ですが、うち一名は話し合いに参加せずに署名だけする予定です。 その方をAとします。 Aが本当に本件について把握しているかこちらにはわからない状況で、交渉の相手(Bとします)がAに署名をもらいます。 Bは弁護士がついていますが、BがAから署名をもらうため弁護士が本当にAの署名か?までは確認しないと思います。 仮にAの署名が偽造だった場合、その合意書は無効になりますか? また、その際の法的罰則はあるのでしょうか?
トマト風呂 さん ()
弁護士からの回答タイムライン
- 民法第522条1項は、「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する」と規定しています。 したがって、A氏の承諾がない場合は契約は成立していません。 仮に何者かがA氏の名義を冒用して契約書に署名捺印した場合、刑法上の有印私文書偽造罪の成立が検討し得ます。 相談者さんがA氏の承諾が疑わしいと考える合理的な理由がある場合、契約書への捺印を実印とした上で契約当事者である三者(弁護士が代理人の場合を除く)の印鑑証明書を契約書に添付する等、契約の信頼性を高める方法を検討ください。
- >仮にAの署名が偽造だった場合、その合意書は無効になりますか? 無効となります。 >また、その際の法的罰則はあるのでしょうか? 有印私文書偽造罪(刑法159条1項)の成否が問題となります。同罪の法定刑は「三月以上五年以下の懲役」です。 なお、【Bは弁護士がついていますが、BがAから署名をもらうため弁護士が本当にAの署名か?までは確認しないと思います。】との点に関し、Bの弁護士が実際にAと連絡を取るなどして交渉しており、A本人が真意に基づいて合意しているようであれば、第三者が署名のみ偽造するというのは経緯として考えにくいようにも思われます。 <参考:刑法159条> (私文書偽造等) 第百五十九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。 2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。 3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
- トマト風呂さんご回答くださりありがとうございます。 事前に偽造を予防したい場合、条項への挿入は効力があるのでしょうか? 本合意書につき、丙の署名が偽造されたものであることが判明した場合、乙は甲へ100万円支払う。 B弁護士からはAに内容について確認をしているという連絡はもらってますが、仮にこの発言がB弁護士の嘘である場合、弁護士の業務違反?となるのでしょうか?
- トマト風呂さんご回答くださりありがとうございます。 説明いただいてとても理解できました。 それであれば、相手弁護士のいうことを信じて合意書を結ぶことしか私にはできないのでしょうか? 恐らく印鑑証明は断られると思います。
この投稿は、2025年3月14日時点の情報です。
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