自己破産の同時廃止と管財事件について。

同時廃止と管財事件は、申し立てする側からは指定出来ずに、申し立て後に裁判所にて申し立て内容に応じて振り分けられる。とネット上で見かけるのですが、当方が委任している弁護士さんは、「管財事件として申し立てます。」と仰います。こちらで指定出来ないのでは?と質問した所、「管財事件になるし、管財事件の方が早い。」との事。

同時廃止の方が費用負担が少なく確定までの期間も短いので、少しでも同時廃止の可能性があればどちらに該当するのか、裁判所に委ねたいと思っております。

改めて、管財事件の方だけ、こちら側から指定する事が出来るのでしょうか?
また、管財事件の方が早いと仰る意図は分かりますでしょうか?

回答いただいた先生方、ご丁寧にありがとうございます。
理解できました。

あと一点だけ質問です。
管財事件として申し立てて、裁判所の方で内容を確認して、同時廃止での手続きを行うと決定されることはあるのでしょうか。

それとも管財事件として申し立てた場合は100%管財事件で手続きされますでしょうか。

わずかな望みが有るのかどうか知りたいです。
東京在住です。

詳細不明ではあるのですが、例えば、東京地裁の場合、以下のようなケースでは原則として管財事件になります。
・債務者に、33万円以上の現金がある場合
・債務者に、20万円以上の換価対象資産がある場合(預貯金、保険の解約返戻金、未払報酬・賃金など)
・債務者が所有する不動産の被担保債権額が不動産処分価格の1.5倍未満の場合
・債務者の資産調査が必要な場合
・債務者が法人の場合
・債務者が法人の代表者又は個人事業者の場合
・債務者の免責調査を経ることが相当な場合

以上に該当する場合、同時廃止として申立てをする意味合いがないところですので、担当弁護士によく確認してみるとよいでしょう。

管財事件の方が早いという意味はわかりませんが、

申立て弁護士に置いて、管財を希望するケースというのは一定程度存しますし、
裁判所との協議や研修の際にも、管財希望で申立てをすべきケースの話がでることもあります。

免責不許可事由があるケースでは、管財人の調査を受けることで免責の可能性を模索することになります(免責調査型)。

同時廃止であれば手続きは早く終わりますが、免責を受けることができなければ何の意味もありません。

「管財事件になるし、管財事件の方が早い。」というのは、「(同時廃止で申立しても、裁判所の判断で)管財事件になるし、(そうなると、同時廃止か管財になるかで一定の期間が消費されることもあり、結果管財事件になるとなれば、新たに管財用の申立書類も作成しなければならなくなり、その準備の手間も時間も別途必要になるので)管財(申立)事件の(として最初から申立した)方が(事件終結が)早い。」という意味であると思われます。例えばですが、債権額が大きいや、過去に倒産手続をしたことがあるとか、免責に問題があるとか、資産や負債が不明瞭など他にもありますが、管財事件になる蓋然性が相当程度高いかどうかは、特に倒産事件の経験豊かな弁護士であればわかります。

管財申立をして同時廃止になることは一般的にはかなり難しいと思います。現在では自己破産申立の原則は管財と、法律・運用ともにそうなっています。よほど同時廃止が当然なのに管財申立したなどの特殊な事案では有り得るのかわかりませんが、そもそも同廃の方が提出資料は多いところで、管財申立事件記録を確認して裁判所が同廃だろうと判断して追加で同廃の資料を請求するというのは聞いたことはありません。私も管財申立をして同時廃止で決定が出たという経験はありません。少なくとも、申立方法に同廃か管財か悩むというレベルで管財申立された事案では裁判所が同時廃止にすることはまずないと思ったほうが良いです。