レンタカーの修理費用支払いに関する相談
11月に旅行中に、レンタカーを借りました。その日の夜、細い路地でバックして方向転換しようとしたところ、路肩の岩にドアを擦ってしまいました。返却時に、2万円の車両使用不可費用と、修理代金の預り金5万円を支払いました。
ただ、その手続き中、隣で車を借りている人が、私たちよりもかなり具体的に説明をされていて、「どのような小さな傷でも、その場に待機して警察に連絡していただかないと、
修理期間のノン・オペレーション・チャージ2万円、さらに修理代金の全額をご負担していただくことになりますので、事故に遭った場合やぶつけたりしたりした場合には、必ずその場で待機して警察に連絡をしてください」という説明をされていました。
しかし、私達が借りた時には、そのような詳しい説明は一切されませんでした。「事故に遭った場合は、警察に連絡してください。保険が使えなくなる場合がありますのでご注意ください。」とは言われましたが、通常対物(自然物・路肩の岩)に擦っただけで、まさかわざわざ警察を呼ぶとは考えてもおりませんでしたし、常識的に考えて、対物(民家の塀など)や対人の事故でない限り、わざわざ警察を呼ぶとは考えもしませんでした。
また、車損傷時に、私が過呼吸発作を起こしたため、その場で待機等できる状態ではなく、一刻も早く宿泊施設に戻る必要がありました。同乗していたパートナーは英国人で、国際免許証を持っていたため運転はできましたが、日本語を読んだり、話したりできず、その場で私の通訳なしに、警察に事情を説明したり、規約を読んだりすることは不可能でした。
後日、レンタカー業者から、更に追加で修理費用、4万円の請求が来ました。業者に、ことの顛末を説明したところ、事実確認をしたところ、実際にスタッフからの説明が不十分であったことを認める内容のメールが来ました。ただ、修理金額は全額こちらが支払わないといけないと言われています。合計で11万円支払うことになります。
あちらが、車両貸し出し時に、説明責任を十分に果たさなかった場合でも、こちら側が全額負担しないといけないのでしょうか。なんだかとても理不尽な気がしています。
ご回答いただけましたら幸いです。
よろしくお願い致します。
法律上の話をしますと、借りた物(車)について自己の過失で傷つけた(自損)場合、その損害を全額負担しなければならないという大原則があります。今回問題となっているのは、保険が加入されていたが警察に通報しなかったために保険適用がなかったという話です。まず本件が自損事故について保険適用が契約上あったのか、あったとして「事故に遭った場合は、警察に連絡してください。保険が使えなくなる場合がありますのでご注意ください。」との注意が一応あったわけですから、それでも自己判断で通報しなかった場合に本来負担すべき損害の保険適用がないとの抗弁が可能なのかということになります。保険は実際、警察に通報して事故報告していなければ保険金が下りません。ご相談者の主張が通ればレンタカー会社が損害を受けることになります。不法行為法は損害の公平な負担という考え方で規定されています。傷をつけたのが借主であり、貸主から一応説明がある以上、どちらが損害を負担するのが公平かという観点で判断することになります。