家族への慰謝料請求はできる?

とある理由により子(代表取締役)が父と協力者(親族)に会社から理由もないが、数の原理で、株主総会で追放されました。
話し合っても、話にならず(認知機能に少し怪しい、協力者しかしんじない)
子はもちろんですが、その家族が、父親が祖父から経済制裁をうけることに対する不安、祖父が自分たちのことも切り捨てたという精神的に受けたことを訴えられないか?

「経済制裁を与える・受ける」当事者以外である「孫」が,自分の親が祖父から経済的に遺棄されたとの精神的な衝撃についてこれを法の保護に値する(=慰謝料請求の根拠となる)ものとして認められるかというハードルが高いと思います。その上,本件はあくまでも会社における経営上の判断のようですので,単に「父が祖父に見捨てられた」というだけの話には収束せず,どうしても当該会社内部での紛争としての性質が判断されることになるでしょう。
 本件のご記載からは,会社でのお父様の立場,祖父の役職,「協力者」と祖父との関係,「株主総会での追放」とあるが具体的には何をされたのか,等々が少し不透明ではありますが,何らかの抵抗をするのであれば,これらの株主総会の決議等の適法性について何か争えることはないかという点から調査をされた方がよいのではないかと思います。

株主総会の決議は、多数決で決まりますが、基本的には、多数派をとれなかったこと(少数派として議決に負けたこと)について、慰謝料請求はできません。
話し合いによって希望が通らなかったとしても、株主が親族であっても同様です。

それ以外の場面で、何らかの不法行為(民法709条)等を構成する「行為」があれば、そのことを理由とする損害賠償請求の可能性はありますが、単に「支持してくれなかった」ということによって精神的ショックをうけても、それだけでは、不法行為とはなりません。