薬物事件で執行猶予中の無免許運転

薬物事件で執行猶予中の場合に、車を運転してしまい無免許運転で逮捕された場合は執行猶予取り消しにより即実刑になるでしょうか?職務質問による無免許運転逮捕のパターンや人身事故、物損事故によるパターンなど教えて欲しいです

無免許運転の罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています(道路交通法第117条の2の2)。
 そのため、執行猶予期間内に無免許運転を犯し、懲役刑に処せられた場合には、薬物事件での執行猶予は取り消さなけれざならないとされています(執行猶予の必要的取消し)。
 また、執行猶予期間内に無免許運転を犯し、罰金刑に処せられた場合でも、薬物事件での執行猶予を取り消すことができるとされています(執行猶予の裁量的取消し)。
 職務質問であれ、物損•人損事故であれ、無免許運転が発覚すれば、起訴されることが大勢でしょうから、執行猶予が取り消されてしまうと考えておくべきでしょう。
 薬物事件で猶予されていた懲役刑の期間に加え、新たに犯した無免許運転や自動車運転過失致死傷罪等の懲役刑の期間についても服役することになるので、無免許運転は絶対にしないようにしてください。

【参考】刑法
(刑の全部の執行猶予の必要的取消し)
第二十六条次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
一猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
二猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
三猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。

(刑の全部の執行猶予の裁量的取消し)
第二十六条の二次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
一猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
二第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
三猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部の執行を猶予されたことが発覚したとき。