苗字を過去のものに戻す法的手続きについての相談

30代の山田と申します。生まれた時の苗字に戻せるか、相談です。
※名前は全て仮名です。

これまで、吉岡→中島→山田と名前が変わっています。
両親が離婚し母の旧姓(中島)になり、その後母が再婚し山田(現在)になりました。
成人後1年をすぎてしまうと、この先、吉岡に戻すことはできないのでしょうか。

一度結婚し、離婚をした場合、家庭裁判所で戻る苗字を選べる、というような記事を見たのですが、正しいのでしょうか。

*背景(補足ですので読まなくても問題ありません)
気持ちの問題です。
成人を過ぎてから実父と関わるようになり、実母が不倫し、離婚届を偽造して無理やり離婚したことを知りました。
(実母は数年後、その不倫相手(山田)と再婚しました。)

ただ、真偽が定かではないこと、養父にも実母にも育てて頂いた恩は感じていたので、色々と思うところはありながらも、詮索することはやめました。

その後、養父方の祖父母が痴呆症をわずらい、色々な過去のことを話すようになりました。
その中に、実父が話していたことが真実であることを裏付けるような発言が多々ありました。

また、私が婚約をした際、養父から、婚約相手について、日本人か、部落出身でないか、親の職業、身内に自殺者はいないか、親兄弟の病歴などを調べろ、といった指示をされるようなことがあり、手に負えず、婚約破棄をするに至りました。

それまでは、山田を名乗ることに違和感はありつつも、いつか結婚して山田ではなくなるからそれで良いと考えていました。
ただ、前述の通り婚約破棄をするに至った結果、今後結婚をしようとも思えなくなり、けれど、山田を名乗り続けることに生理的嫌悪感さえ抱いている状況です。

不倫をし、離婚させ、子供に関わろうとしなかったにもかかわらず、養子の結婚相手やそのご家族に差別的な発言をする養父、
不倫をし、離婚届を偽造する実母、差別発言をする夫をただ見ているだけの実母。
この二人と同じ名前を名乗ることが嫌でたまりません。

彼らと縁を切るため、現在は飛行機の距離に移住しました。
わがままなのかもしれませんが、ずっと山田の名前に縛られて生きていきたくはなく、法的な方法はないか模索しています。

宜しくお願い致します。

戸籍上の氏を変更するための手続としては、(1)民法791条1項の子の氏の変更許可審判申立てと、(2)戸籍法107条1項の氏の変更許可申立ての二種類があります。
(1)(2)のどちらが可能であるか(いずれも可能である場合にはどちらを選択した方がベターであるか)といった検討は、あなたの出生から現在までの戸籍移動の状況を踏まえて判断する必要があります。
なお、(1)は(実父の戸籍へ入籍することが前提となるため)少なくとも実父がご健在であることが必要であり、(2)はあなたが戸籍筆頭者であることが必要です。

上記に関連して、あなたが山田姓となった時点で、母の再婚相手と養子縁組をしたかどうか、という点も重要になります。
養子縁組をしている場合には、養父と離縁すれば、少なくとも縁組前の氏である中島姓(つまり母の旧姓)に戻ることができますが、養子は養親の氏を称すること(民法810条本文)とされている関係で、(1)(2)いずれの場合でも、事案によっては生来の氏(吉岡姓)へ戻るため先に離縁が成立していることを重視される可能性もあります。

(2)については「やむを得ない事由」が必要になります。本件では、届出により生来の氏である吉岡姓へ戻ることが難しい事案であるため、あとは、生来の氏へ戻りたい理由と必要性を合理的に説明できるかどうかがポイントになります。
(1)の場合は法文上明確な要件はありませんが、やはり、実父の戸籍へ入籍したい合理的理由(例えば父が高齢で同居して介護したい、など)を説明できるかどうかが重要になってきます。実父が再婚している場合などは、実父やその配偶者が入籍に同意しているかどうかが重視されることもあります。
いずれの場合も,単なる心理的・精神的理由のみという立て付けでは、なかなか認めてもらえません。

本件は、事案によっては全く不可能というわけではないので(生来の氏に戻りたいというケースではあまり厳しい審理にならないことが多いです)、詳しい事情をもとに弁護士へ直接相談された方がよいでしょう。

ご回答ありがとうございます。

戸籍の筆頭者は養父であり、
母の再婚相手とは養子縁組されているじょうたいです。

また、離縁の手続きをするためには話し合いや相手の合意がいるのようなので、少し気が引ける部分もあります。。

(1)の方が可能性は高そうですが、単なる心理的・精神的理由のみでの申請は難しいとのことですので、難しいかもしれませんね。

現在、ビジネスネームを吉岡にしておりますので、周囲の認知と戸籍状の名前が異なると混乱させることもあるため、数年の実績を詰み、これを理由の一つとして申請が可能か弁護士の方に相談しようと思います。

すぐには難しくても課題などが明確になりました。
ありがとうございました。