賃貸物件の二重家賃振込、返金可能性についての相談
現在、賃貸物件に住んでおります。
以下の背景・状況において、新管理会社へ重複分の家賃の払戻しが可能であるか、専門家のご意見をお伺いしたいです。長文にて失礼いたします。
管理会社の切り替えがあり、切り替えのタイミングで旧管理会社と新管理会社の両方に、家賃を振込した月がありました。
二重振込である認識があったため、新管理会社へ問い合わせたところ「旧管理会社へお問い合わせください」と連絡を受けましたが、その時には旧管理会社が倒産しており連絡がつかない状態でした。
新管理会社へ再度連絡をしたところ、以下のような状況であることがわかりました。
・賃貸物件のオーナーには、経理処理上、二重で家賃の振込がなされていないため、オーナー側が家賃を二重取りしている訳ではない
・当方が家賃を二重振込した月の家賃については、新管理会社からオーナーへ振込がなされている
・そのため、旧管理会社が、私から徴収した家賃をプールしたまま倒産している状況
・同様の事象が複数発生(新管理会社だけではなく、他の管理会社においても倒産した旧管理会社との同様のトラブルが発生)しているため、集団訴訟を進めている
・現在、訴訟した側は国からの判断待ちであるが、国の判断により倒産した旧管理会社による支払は不可となった場合、当方に二重振込分の家賃が戻ってくることはない
日本語に誤りがありましたので訂正します。
【誤】新管理会社へ重複分の家賃の払戻しが可能であるか、
【正】新管理会社へ重複分の家賃の払戻しを求めることが可能であるか、
ワンオネスト法律事務所の弁護士の吉岡一誠と申します。
ご相談内容を拝見いたしました。
管理会社変更の通知が届いた後に支払期限が到来する賃料について、新管理会社に振込をした場合、それは賃料の支払いとして有効になります。
他方で、旧管理会社に支払った分は、本来旧管理会社が相談者様に対して返金しなければいけないものであり、任意に返金されない場合は、相談者様から旧管理会社に対して、不当利得金として返還請求をする必要があります。貸主には責任はないと思われるので、旧管理会社に支払った分を貸主に請求することは困難でしょう。
なお、記載いただいているとおり、旧管理会社が破産手続に入って免責(＝法人の資産を債権者に配当した後に残った借金の支払義務がなくなる)が確定してしまうと回収ができなくなるため、ダメ元で配当を狙うなら急ぎ旧管理会社に対して訴訟提起するべきかと思います。