アクセサリー製造欠陥による損害賠償責任と法人破産の可否

【相談の背景】
法人でアクセサリーを販売しています。
代表取締役と役員が自ら製作し販売しています。従業員はおらず代表と役員で製造発送など行っています。
会社法429条1項の「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」
とありますが、製造に欠陥がありお客様を怪我させてしまった不法行為があった際、上記の会社法で裁かれてしまうでしょうか?
不安症で多額の損害賠償を請求されたらどうしようと心配です。
もし多額すぎて払えない場合、多額の賠償金は法人破産で免除されるでしょうか?

お答えいたします。法律上重大な過失とは故意に匹敵するほどの落ち度があった場合をいいます。従って,アクセサリーの製造過程において通常の注意を払っていても欠陥商品が発生して人が傷ついた場合において会社法上の取締役の責任が問われることはないものとお考え下さい。但し,本当に重大な過失により人の生命または身体を害したとされて賠償義務を負った場合には,法人が破産しても個人の破産においては損害賠償債権は非免責債権となり,個人として破産申立をして得て免責を受けても免責の効果は及ばないとされます。

ありがとうございます。
法人の責任であっても個人にまで賠償が及ぶものなのでしょうか?

お答えいたします。法人に責任があるから当然に役員個人に責任があるという判断がされることはありません。あくまでも会社法の対第三者責任規定の要件を満たすかについて裁判所は法人自体の責任とは別に審理することになります。

ありがとうございます。法人の取締役が製造をする際、故意に近い重大な過失があれば法人破産をしても個人に請求が行く可能性があるということでしょうか?
法人は個人とは別人格と思っていたので賠償金は発生しないと思っていたのですが
そのような場合もあるということですね。
重大な過失とは、ほぼ故意に近いものと考えて問題ないでしょうか?

お答えいたします。重大な過失とは故意に匹敵するほどの不注意とお考え下さい。

ありがとうございます。
仕事はハンドメイドアクセサリーをつくっています。
アクセサリーには、肌の弱い方がまれにアレルギーが起こる素材(レジン)を使用しています。(小さく注意書きにそう書いてありました)紫外線を当てるとその素材は液体から固体になり、それを触ってもアレルギーが起きないようになるが、紫外線を当てるのが弱かったりした場合、液体が露出する可能性があるままだとアレルギーが起きる場合があるとのことです。それをお客様にお届けしてしまった可能性があります。
その素材はレジンと呼ばれクラフト用として一般消費者に向けて作られたもので
手芸屋さんやスーパーなどでも売られています。
15歳以上が使えるようになっています。
また、目に入れると完治するまで3週間ほどの視覚症状が応じる場合があるとのことです。
また、必ず硬化しろという記述はありません
周りが硬化して中身が未硬化の液体状態でも外からは見えないため、今回製作したアクセサリーはそのような理由により未硬化部分が残っている可能性があります。
周りの人には、必ず硬化させろという表記もないし、中まで硬化しているかは見た目ではわからないから、そもそも完全硬化してなくても外側だけ硬化していればいいのではないかと言われましたが、罪悪感でいっぱいです。

端的にまとめると、アレルギーがまれに出る素材を使用しているのに、アレルギーに対しての注意事項を怠りました。レジンには作ってものを販売する際そう記載しろとは書かれていません。
また、未硬化の液体が露出した際、それが目に入ると完治3週間ほどの視覚症状が起こる場合があるとのことです。そちらも注意書きを怠りました。
だが、レジン会社は完全に中まで硬化するようにという記載はなく、逆に紫外線によって早く固まる場合があると書いてあるぐらいなのです。

上記の場合、故意に匹敵するほどの重大な過失となってしまうでしょうか?

お答えいたします。ご質問の案件では重過失にはならないと考えます。

ありがとうございます。たくさん聞いてしまい申し訳ございません。
今回の故意に近い重過失は、自己破産の非免責債権より、より故意に近い重過失でしょうか?それとも非免責債権と同じくらいの重過失でしょうか?