中絶後の精神的苦痛に対する慰謝料請求について
ある時、交際関係ではない友人として同意の下、性行為があり妊娠が発覚しました。避妊せず膣内射精に至るまで同意の下でした。
その後、交際もしていなかった為、中絶という選択でお互い合意しました。
女性側には身体的に負担がかかる為、少しでも負担を減らせればと思い、中絶費用とそれまでの通院にかかった費用は僕が全額負担しました。
また、女性は妊娠が発覚する前に知人の夫からセクハラを受け、精神的苦痛を感じ休職していました。さらにその件で悩み、精神科に通うまで状態は悪化していましたが、相談に乗るような関係でした。
そんな中、中絶手術後１ヶ月程で他に彼氏ができたことにより一方的に連絡が途絶え、連絡するすべが無くなってしまいました。相手に気が合ったこともあり、申し訳なさと悔しさで落ち込みました。
そこから1年が経ったある日のことです。
見覚えのないメールアドレスからの連絡があり、その女性と同名を名乗る相手からメールがありました。よくある名前であり、「覚えてますか？返事待ってます。」との内容だけだったので迷惑メールかと思い返事はしていませんでした。その翌日見知らぬ番号から電話がありましたがこれも見知らぬ番号の為、業者かと思い込んで折り返しませんでした。するとその2日後に実家に手紙が届きました。その彼女からでした。
中には中絶費用の負担に対する感謝や現状について書かれていました。
その現状が「以前受けたセクハラによる精神的苦痛が落ち着いてからは中絶したことがひっかかり、中絶後遺症候群になった。そのことで精神科に通っており、最近は落ち着いてきた。」というような内容でした。
さらには「自分も悪いと思うし卑怯だと思うが、今更ながら慰謝料を払って欲しいとまで思う。この件は弁護士に相談したわけではなく、性行為も同意の下だから無理にとは言わないが、手紙を書いた以上私もそれなりの覚悟がある。」というような内容でした。
中絶後遺症候群と診断されたのは半年程前であり、最近に至るまで働けていなかったそうです。
住所については中絶同意書に記載した為分かっていたとのことでした。
この件について男側に慰謝料の支払義務は生じるでしょうか。
性行為、避妊しないこと、中絶のいずれも同意の上行われていたということであれば、男性側の行動に違法性がありませんので、慰謝料の支払い義務はないと考えます。