通話内容を無断録音された場合の損害賠償請求は可能か?
インターネット上の知り合いに、メッセージアプリを利用した通話の内容を無断で録音されました。
一対一の個人通話だったので、プライベートな内容や個人的な愚痴、悪口なども言っており、そこで私が悪口を言っていた相手に、その録音データを送られて、誹謗中傷だと言われました。
プライバシーの侵害等で損害賠償請求をすることは可能でしょうか?可能な場合、どの程度の金額になるでしょうか?弁護士費用などの実費まで請求するのは難しいでしょうか?
あなたたが友達に話した内容は録音の有無に関わらず、その人物から第三者に伝搬(=伝わる)していく可能性がありますので、その時点で話した内容に関するプライバシー性は失われているように思います。
そのため、プライバシー侵害の問題ではなく、あなたの名誉の毀損の有無こそ問題になるのではと考えます。
悪口を言ったのが事実なのであれば、真実性は録音により担保されているので、あとは公共性があるかどうかで違法かどうかの判断が分かれるのではと思います。
あくまで一つの考えですので、他の弁護士の意見も聞かれてください。
まず,通話を録音する行為それ自体は,当然に違法と評価されるわけではないと思料します。本件で問題なのは,録音行為ではなくそれを他人へ渡した行為であり,一般的にはプライバシー侵害や名誉毀損を検討することになりますが,渡した相手があなたが誹謗中傷した相手本人なのであれば類型的にみて伝播可能性がないので名誉毀損には該当せず,プライバシー侵害が問題になりそうです。ただ,その会話内容が他人に対する愚痴や悪口等であれば、その悪口の対象者に事情が伝わることは予想すべき(あるいは容易に予想できる)であり,会話内容の秘密を保護する必要性(要保護性)も弱いことが多いため,違法性がないとの評価もあり得ますし,仮に違法性が認められたとしても大幅な過失相殺が認められるといった可能性は考えられるように思います。要するに,ネガティブな話をするときは相手を選ばなければならないということでしょう。