証言のみの場合は難しいのでしょうか
名誉棄損罪での証言の重要性について質問です。
根拠のない噂を流した同僚がいます。
数人ほど、その方から直接聞いた人はいましたが、２年半前ほどとのことでした。
本人が否定した場合、告訴・立件は難しいのでしょうか。また、民事で争う方が無難なのでしょうか。
法的には他人の供述（証言）でも証拠になりますが，証言のみの立証に頼る方法では，相手が実際に何としゃべったのか（つまり正確な名誉毀損の文言を一言一句正確に表現すること）が難しいという問題がありますし、それを直接知っている証人が（相手から恨みを買いたくないので）協力を断ることも多く（特に証人として裁判所への出頭をお願いすると嫌がられることが多いです），率直に申し上げて，刑事・民事双方ともに証人だけで立証することは証拠として心もとない（弱い）といわざるをえません。
先生、ご回答ありがとうございます。
やはりSNSや手紙での書き込みかが必要ということでしょうか。
また、随分前の話ということも証拠としてさらに弱くなってしまうのでしょうか
名誉毀損は他人の社会的評価を低下させる行為が必要であり，噂話ということは，当該人物が何を話したのかを正確に立証する必要があります。録音があればともかく，話した言葉を他人の記憶に頼るのはリスクが高いと思われますし，まして時間が経過していれば（人の記憶は曖昧になるので）果たして立証できるのかという問題にぶつかります。証言というのは，働きかけによる記憶の修正や口裏合わせができてしまうものなので，それを裏付ける客観的な証拠がない状況では，検察官や裁判官はその信用性を慎重に判断することになります。
ありがとうございます。
勉強になりました。