自分の姓の変更について

自分の姓を母方の姓に変更できるか。

複雑な環境で育ち、大人となった今でも、自分の苗字を書いたり呼ばれるたびにフラッシュバックが起こり、抑鬱的な気分になってしまいます。

心療内科で受診し、その診断を元に情状酌量されると、認可が降りやすくなりますか?
それともそういった個人的な感情は加味されませんか?

御回答お待ちしております。

氏の変更の手続には,民法791条1項に基づく子の氏の変更許可申立と,戸籍法107条1項に基づく氏の変更許可申立があります。
前者は,実母の戸籍へ入籍することを前提とするため,本件では妥当しない可能性があると思いますが,民法791条1項の場合は,母の氏を称する必要性と相当性(例えば離婚して旧姓に戻った母親と同居しているなど)が認められれば許可されることが多いので,個別事情によることになります。
後者は,まず前提として貴殿が戸籍筆頭者であることが要件とされており,さらに「やむを得ない事由」が必要となります。そして,もっぱら心理的・精神的な理由での申立は原則として「やむを得ない事由」に該当しないと言われています(幼少期から父親の性暴力があった事案で氏の変更が許可された事案があります)。戸籍法107条1項の申立は一般的にハードルが高いので,「複雑な環境」がどのような環境なのかによって,見通しは変わってくると思います。