婚姻取消の申立てをしたい
今年の夏に交際相手と入籍をしました。
夫婦生活を始め、暫くすると少し彼の様子がおかしい事に気が付きましたが、素が出てきたのかな?くらいに思っていました。
しかし、先月末に10年前から脳腫瘍を患っていること、抗うつ剤の成分が入った薬を飲んでいることを知りました。
彼に問い詰めたところ、腫瘍は小さく今まで一人暮らしもしていたから、言う必要がないと思った。と言われました。
また彼のご家族からもその話は今だにないままです。
家族ぐるみで私のことを騙していたんだという風にしか思えません。
これらを理由に、離婚ではなく婚姻取消の申立てをしたいと思っています。
申立書の書き方についてアドバイスをいただけたら幸いです。
よろしくお願いします。
病歴を隠していたことで、詐欺を理由に取り消したい、ということですかね。
調停から始めます。
予備的に離婚の主張も必要でしょう。
取消はハードルが高そうですから。
詐欺による婚姻取消しということであれば、病歴を隠されていたという錯誤と、その錯誤を相手方が意図的に行ったこと、そしてあなたが相手方の病歴を知っていれば婚姻をしなかったであろうという因果関係の立証が必要になります。ある程度ハードルの高い主張だと思いますので、予備的に離婚を請求するのがセオリーでしょう。
あと、注意が必要なのは、婚姻取消しの法律効果は遡及しないことです(民法748条1項により婚姻届出から取消し確定までに生じた夫婦関係は有効であり、結局は離婚した場合と大きな違いがありません)。そのため、戸籍上の処理としては、婚姻無効の場合は婚姻による戸籍変動を抹消する戸籍訂正が行われるのに対し、婚姻取消しの場合は離婚と同様に婚姻による戸籍変動の記載は抹消されず、離婚と同様に【婚姻取消し】の記載が追加されて除籍や入籍等の戸籍処理が行われることになっています。しかも、婚姻取消しによる戸籍変動は離婚よりも一般的ではない(どちらかといえばレアな戸籍移動)になってしまいますので、もし「戸籍の見映え」を理由に婚姻取消しを考えておられるのであれば、この点に留意する必要があると思います。