アルバイト中の自損事故、修理費用の負担範囲は?
車で集荷のアルバイト中、自損事故を起こししました。
車は走れる状態でしたが緑の液体漏れがありました(その時点では冷却水とわかってませんでした)。
集荷したものがすぐ必要なものでバイト先のオーナー連絡したところ、そのまま帰るように指示されました。
車の状態を写真で送り、液体の漏れも報告し、そのまま帰るのは怖いと伝えましたが
やはり帰るよう指示され、仕方なくゆっくり帰り、何かあればまた報告すると伝え車を走らせるも途中前方からの
煙も見えて道路脇に車を止めて再度オーナーに連絡。
状況とやはりこのまま走らせるのは怖いと伝えるも帰れとの指示。
再度車を走らせるも途中で完全にストップ。(冷却水漏れのエンジンのオーバーヒートかと)
結局、必要な荷物はオーナーが取りにきてJAFを呼ぶことに。
最終的に車は廃車になり、その料金とJAFの料金の2/3を請求されていますが、
車は代車で保険は入っていないようです。
ちなみに会社ではなく個人店です。
どこまで支払いの義務がありますか?
業務中に事故を起こして運転していた車両を廃車にしてしまったことに関する損害賠償の範囲については、参考となる最高裁判所の判例があり、使用者(会社)は従業員(被用者)に事故の損害の賠償ないし求償の請求ができるものの、使用者が被用者に賠償ないし求償請求できる金額は、判例上、信義則上相当と認められる限度とされています。
「使用者が、その事業の執行につきなされた被用者の加害行為により、直接損害を被り又は使用者としての損害賠償責任を負担したことに基づき損害を被つた場合には、使用者は、その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働条 件、勤務態度、加害行為の態様、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使 用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信 義則上相当と認められる限度において、被用者に対し右損害の賠償又は求償の請求をすることができるものと解すべきである。」( 最高裁判所第一小法廷昭和51年7月8日判決)
この判例の事案では、「石油等の輸送及び販売を業とする使用者が、業務上タンクローリーを運転中の被用者の惹起した自動車事故により、直接損害を被り、かつ、第三者に対する損害賠償義務を履行したことに基づき損害を被つた場合において、使用者が業務上車両を多数保有しながら対物賠償責任保険及び車両保険に加入せず、また、右事故は被用者が特命により臨時的に乗務中生じたものであり、被用者の勤務成績は普通以上である等判示の事実関係のもとでは、使用者は、信義則上、右損害のうち四分の一を限度として、被用者に対し、賠償及び求償を請求しうるにすぎない。」との判断がなされています。
【参考】裁判例検索サイト
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54209
あなたのケースでも、この判例の考え方を参考にアルバイト先と話し合いをしてみることが考えられます。
なお、この判例の考え方を会社(使用者)側がなかなか理解しようとしないことも想定されるため、自分で対応するのが難しいばあいには、お住まいの地域等の弁護士に直接相談なさってみて下さい。
使用者が従業員に損害賠償請求をできる範囲はかなり限定されます。
相談者に大きな過失があったのでなければ、そもそも費用の請求をできません。その場合でも2/3も請求するのは難しいでしょうね。
ご回答ありがとうございます。
大きな過失とはどのレベルになりますか?
ちなみに物を落としそうになり拾おうとし前方不注意となり自損事故となりました。
また請求金額は事例の様な高額ではないですが、多い少ないの問題でないということになりますか?
よろしくお願いいたします。