遺言書の持ち戻し免除と遺留分侵害額請求の関係と対策方法は?
相続の問題で、遺言書に持ち戻し免除と書いても遺留分侵害額請求ができると見かけました
だったら持ち戻し免除と書いたって無駄じゃないのか?という疑問が湧きました
これはただの意思表示なのでしょうか?
親不孝な子供より親孝行な子供に遺産を残したい、揉めないように生前贈与したら遺留分侵害で結局分けてあげなければならないとなると相続で揉めないようにするためにはどのように遺言もしくは贈与したらいいのでしょう?
詳細不明ではあるのですが、「遺留分=遺留分算定のための財産の価額×遺留分率×法定相続分の割合」という計算式で算出されます。ご質問の趣旨としては、持ち戻し免除の意思表示が遺留分計算の場面でどのように取り扱われるかということかと思われますが、特別受益にあたる生前贈与の額は、持戻し免除の意思表示があったとしても上記計算式の「遺留分算定のための財産の価額」に加えられるというのが最高裁判例です。ご相談のケースでは、特別受益にあたる生前贈与の対象物自体が持ち戻されて【親不孝な子供】に残されてしまうというより、遺留分算定のための財産の価額算出のために持ち戻されて全体が増額する結果として遺留分侵害額が増え、金銭で解決する場合の金額が増えるというイメージになると思います。
弁護士に個別に相談するなどして、遺言の内容等について具体的に検討なさった方がよいように思われます。
持戻し免除は、遺産分割の場面ではそのまま通用する(特別受益としない)という意味があります。条項も特別受益の部分に存在します。
遺留分は、それとは別の制度ですが、遺留分に関する限り、持戻し免除としていても、贈与が遺留分を侵害している場合には遺留分侵害額請求ができると解されています。