自己破産 管財人 による調査について

自己破産2回目です
一回目とは違う理由で今回は浪費が原
スマホ端末の転売などを繰り返していて550万円ほどの借金があります
破産管財人がつくかもしれないといわれています
そこで質問なんですが破産管財人は通帳の存在をどうやって調べるのでしょうか?他の口座とのやり取りがなくたとえば最近作った口座などを簡単に調べる方法があるのでしょうか?ご回答よろしくお願いいたします。

破産管財人には各種の調査権限が与えられていますので、破産者名義の預貯金口座の有無や取引履歴などについて金融機関へ照会することは可能です。既に財産目録に記載されている銀行口座であれば金融機関へ直接問い合わせることになりますし、隠し口座などは弁護士会照会を利用することもあります。網羅的に全ての預貯金口座を一括で照会する制度はないため調査には一定の限界がありますが、もし隠し口座の疑いがあるなら、調査を行うことをためらわないでしょう。

各地裁破産部の運用等にもよるので、担当弁護士とよく検討していただいた方がよいのですが、2回目の破産申立てである点、浪費が原因である点などを踏まえると、管財事件になるのは確実だと思います。破産管財人の調査により申立時に申告していない口座が判明する可能性はあり、破産者が説明拒絶や虚偽説明をすれば、免責不許可事由になり得ます(破産法252条1項8号)。なお、【スマホ端末の転売などを繰り返していて】という事情は、同項2号の免責不許可事由に該当する可能性もあると考えられます。

<参照:破産法>
(免責許可の決定の要件等)
第二百五十二条
裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
一 (略)
二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
(三〜七 略)
八 破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。
(以下 略)

ご返信ありがとうございます。
まとめて照会はできないとのことですがめぼしをつけてこの銀行調査、この銀行調査というやり方をされるのでしょうか?

大阪では管財事件は少ないと聞いたのですがそうではないのでしょうか?
また小額管財と普通の管財はどう振り分けられるのでしょうか?

大部分の事件では、破産申立ての際に全ての預貯金口座を正直に申告していることが当然の前提です(財産隠しは明らかな免責不許可事由です)。破産管財人が就いたからといって、管財人が全ての事案で事細かに口座調査を行っているわけではありません。
例えば、破産債権者提出の資料や破産者当ての郵便物などで財産目録にない引落し口座等が記載されているとか、預貯金口座の取引履歴に不審な現金出金や振込が確認された、といった不審な点がある場合に、管財人から破産者へ確認が行われ、これと同時並行で調査が行われる、といったパターンが多いと思います。
本件ではスマホの転売などがあるようですので、その転売に関する資料や一覧(時期・金額・金銭の用途など)を整理するなどして申立書へ添付し、管財人に財産隠しなどの不審な点がないことをアピールすることが重要です。

個人の破産者の管財事件は、基本的に少額管財(小規模管財)に分類されます。その反対は大規模管財(全国に支店網がある、負債が数億、債権者数が数千人といった事案)です。大阪地裁では、それぞれ「一般管財事件」「大型管財事件」と読んでいます。

一件記録の細部から芋づる式に隠し財産や口座が判明することはあります。破産者には管財人に対する説明義務(破産法40条1項)があり、これに違反すると免責不許可のリスクに晒されるだけでなく、破産犯罪(同法268条1項)が成立する可能性もあります。隠し口座を用意するなどして破産手続を切り抜けようとするのは避けなければならないので、申立代理人とよく相談をしてください。

<参照:破産法>
(破産者等の説明義務)
第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。
一 破産者
二 破産者の代理人
(以下略)

(説明及び検査の拒絶等の罪)
第二百六十八条 第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第二百三十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第二百四十四条の六第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。第九十六条第一項において準用する第四十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者も、同様とする。
(以下略)

皆様ご回答ありがとうございます。
もう一点お伺いしたいのですが自己破産申し立て前のキャリア決済についてです
私の携帯電話の名義は母でそのスマートフォンを私が使っています 
その携帯電話で私がキャリア決済を行った場合はどういう扱いになるのでしょうか?
支払は家族の支払いです

詳しくは依頼している弁護士に相談してみてください。
母親名義の携帯によるキャリア決済なので形式的には貴方の債務ではないことになります。ただ、母親が立て替えていると捉えれば、立替金請求権を貴方に対して有していることになるので、母親も破産債権者になり得ると考えられます。

ご回答ありがとうございます
質問ばかりもうしわけございません。 
特に使っていなかった口座など申し立て前に解約したものがあるのですがその取引の履歴なども管財人は調べることが出来るのでしょうか?

また調査についてなのですがこれは担当弁護士にも話させていただいたのですが
使っていなかったゲーム機などを売ってそのお金が約8万円くらいになりました
ここまでが弁護士に話させてもらった部分です

この後はまだお話しできていないのですがその買取をしてもらった業者がクレジット決済やキャリア決済のいわゆる現金化(買い物代行業者のようなもの)を行っている会社(普通の買取も行っている)です
クレジットカードの現金化を利用したことがありこの会社からの振り込み履歴もあります
今回は普通の買取とはいえそういった業者から弁護士依頼後に振り込みの履歴があるというのはやはりよくないのでしょうか

>特に使っていなかった口座など申し立て前に解約したものがあるのですがその取引の履歴なども
>管財人は調べることが出来るのでしょうか?

管財人が自主的に口座を発見するために調査するというより、申立時に通帳履歴を添付して提出する必要があります。
(何年前のものまで必要かについては各地裁ごとの運用があると思いますので、担当弁護士に確認してください。)

>今回は普通の買取とはいえそういった業者から弁護士依頼後に振り込みの履歴があるというのは
>やはりよくないのでしょうか

詳細については要検討ですが、破産法252条1項2号(「破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。」)の免責不許可事由に該当する可能性があるでしょう。

クレジットカードの現金化は弁護士依頼前で
今回は新たに買い入れて売った訳ではなく手元にあるものを売ったのですがそれでもその不許可事由に当たるのでしょうか?

クレジットカードの現金化が免責不許可事由に該当し得るという趣旨です。
此方での当方回答は以上で終了となりますが、参考になれば幸いです。詳細は依頼している弁護士によく相談してみてください。

高橋様お忙しいなかご対応くださりありがとうございます。非常に参考になりました!
川添様お忙しいなかご回答くださりありがとうございました!非常に参考になりました!