父の遺言書がない場合の相続財産分割方法と対策について

Question

父が今年2月に亡くなりました。
相続人は兄と私の2人です。

生前父は「土地建物は兄、金融資産は基本私、土地建物の兄の方が高額になる」と言っていました。父には遺言書を残すように度々伝え、父は昨年コンサルタントを利用し遺言書作成に着手したのですが、結局遺言書を残さずに亡くなってしまいました。

父の死後、コンサルタントから送られてきた提案書(相続試算書)が自宅から出てきて、土地建物は兄、金融資産は半分ずつ折半という内容になっていて、私の相続分が大幅に少なく、とても納得のできる内容ではありませんでした。このコンサルタントに確認したところ「聞き取りをして、初めの提案書を送った。それに対しての回答は得ていない」との事でした。相続処理は兄の意向で別のコンサルタントで行う事になりましたが、この提案書を提示し、提案書に沿った内容で進めようとしています。なるべく亡父の意向に沿った内容で進めたいとは考えておりますが、相続について詳しい方のご意見を伺い、納得のうえで進められればと思います。

この提案書が遺言書としての効力があるのか？
この提案書に沿った配分で進めるべきなのか？
どのように分割協議を進めれば良いか？
分割協議が決裂した場合はどのように進めれば良いか？

ご教示をお願いします。

高島 秀行 弁護士 · Accepted Answer

この提案書が遺言書としての効力があるのか？
　　提案書は、全文自筆、日付、署名捺印と言った遺言書の要件を満たしておらず、効力はありません。

この提案書に沿った配分で進めるべきなのか？
　　提案書に従って進める必要はありません。
　　あなたは法定相続分の2分の1を主張すればよいと思います。

どのように分割協議を進めれば良いか？
　　遺産分割調停を申し立てて、法定相続分2分の1に見合う財産の相続を主張すればよいと思います。

分割協議が決裂した場合はどのように進めれば良いか？
　　弁護士に依頼して、遺産分割調停を申し立てて、法定相続分2分の1に見合う財産の相続を主張すればよいと思います。
　　弁護士に面談で詳しい事情を話して相談された方がよいと思います。

匿名A 弁護士 · Answer

・「この提案書が遺言書としての効力があるのか？」

ありません。

・「この提案書に沿った配分で進めるべきなのか？」
ご自身に不利な内容ですので、法定相続分に応じて分割を求めるとよいでしょう。

・「どのように分割協議を進めれば良いか？
分割協議が決裂した場合はどのように進めれば良いか？」

まず、相続人と遺産を確定する必要があります。
相続人については、戸籍の調査
遺産に関しては、保険や金融資産含め郵便物などであたりをつけたり、
近隣の金融機関に照会をしたりといった対応になります。

任意の話し合いでまとまらなかった場合は、遺産分割調停を申立てすることになります。合意に至らない場合、裁判所が審判という形で決定をします。