開示請求の意見照会書を拒否後の裁判進捗確認方法は?
今年四月に開示請求の意見照会書を拒否で返送しました。裁判の進捗状況を知りたいのですが、プロバイダに問い合わせても良いのでしょうか?
プロバイダに問い合わせることはできると思いますが、現実的には、回答を得ることはできないと考えます(裁判の経過自体は職務上の秘密として取り扱われている可能性が高いからです)。
状況が気になるところですが、事件番号がわかるようであれば裁判所に問い合わせる以外に方法はないように思います。
ご参考になれば幸いです。
結論からいえば、基本的に発信者は発信者情報開示請求に関する裁判手続の進捗を確認することが難しいというのが実情です。プロバイダが発信者情報を開示した場合は発信者へ通知されますが、開示されなかった場合は通知義務がないことにも注意が必要です。
プロバイダへ問い合わせても、裁判の進行状況については教えてもらえないことがほとんどであるようです。発信者情報開示命令などの裁判手続において、反論のため再度発信者へ主張を確認したいといった場合には、プロバイダ側から連絡が入る場合があり、その時に大まかな状況だけは教えてもらえるかもしれません。
なお、改正プロバイダ責任制限法施行前は、経由プロバイダに対する発信者情報開示請求は通常の民事訴訟で行われていたため、例えば発信者から依頼を受けた弁護士が(弁護士自身の名前で)記録閲覧することが可能でした。しかし現行法では、裁判手続はほとんどが改正法に基づく新たな手続(発信者情報開示命令)で行われています。発信者情報開示命令や仮処分の手続記録は利害関係人しか閲覧が認められませんので、発信者(又はその代理人)が利害関係を疎明して記録閲覧すると、発信者の氏名や住所、発信者であることを疎明した文書などが記載された記録閲覧謄写許可申請書一式が記録に綴られてしまうため、その申請書一式が開示請求者に閲覧されてしまう(=発信者の住所氏名が判明してしまう)というリスクが発生します。そのため、裁判記録の閲覧はお勧めしません。
丁寧な説明をありがとうございます。
平均して何ヶ月ほどかかる場合が多いでしょうか?
ケースバイケースですが、権利侵害の明白性が認められることが見込まれる事案で、申立てから開示まで3~4か月程度です(発信者情報開示命令の確定は決定告知から1か月かかります)。