慰謝料の求償権について
不倫により離婚することとなったA子さんは、夫婦の共通口座にあった預貯金全額を夫に渡すことに同意し、離婚協議書に「財産分与」という名目でその旨を記し合意しました。
一方で、不倫相手のB男さんに対しては、A子さんの夫から慰謝料が請求されました。
この場合、一般的に、B男さんはA子さんに慰謝料の半額を求償することは可能ですか？
不貞行為は共同不法行為と呼ばれるもので、不貞行為を行った当事者が共同で責任を負うものです。
そのため、一方当事者が慰謝料を支払った場合は、求償権の放棄をしていない限り、もう一方の当事者に対し、相当（一般的には半額）の求償ができると思います。
不貞相手の男性が全額の負担をした場合、責任割合に応じてもう片方の不貞相手に対して求償することは可能です。
ただ、今回のケースでは、通常折半となる財産分与が全て相手が持っていく形で分与していることで、通常より多く分与していることが不貞に対する慰謝料の部分を代替するものとしてなされているのであれば、そもそも慰謝料の請求に対して、すでに妻から慰謝料の支払いを受けているとして全額の支払いを拒み、自身の負担分のみの支払いを主張することも考えられるでしょう。
慰謝料を求償することが可能であること理解しました。ありがとうございます。