他者に渡した写真の著作権を放棄しても復帰できるか

Question

友人と今後の関係を維持したい意図があり友人の写真撮影をし写真データを送りました。友人は自身のSNSに投稿してよいか聞かれたため、許諾とともに著作権を放棄すると伝えました。
しかし後日友人関係が破綻したため、渡した写真データの著作権はこちらに復帰するという解釈でいいですよね？

倉田 勲 弁護士 · Accepted Answer

友人は自身のSNSに投稿してよいか聞かれたため、許諾とともに著作権を放棄すると伝えました。

→前提として著作権には、財産的権利の著作権と人格権としての著作者人格権があります。
財産的権利の著作権は放棄可能ですが、著作者人格権については放棄できません。
また権利の放棄に関しては、一度放棄をすると後日関係が破綻したことを理由に復帰はしませんので、「著作権を放棄した」のでしたら財産的権利の著作権は放棄されておりあなたに復帰はせず、現状は著作者人格権のみあなたに残っているという解釈になるかと思われます。

倉田 勲 弁護士 · Answer

人格権に基づき、SNSに投稿された写真が勝手に使われたものだと訴えることは可能だということでよいですか？

→著作者人格権上の権利は、具体的には以下の３つの権利です。
・公表権（未公表の著作物を公開する・しないを決める権利）
・同一性保持権（著作物の内容を改変させない権利）
・氏名表示権（著作権者の名前を表示させる・させないを決める権利）

SNSの投稿に許諾していたのでしたら、「勝手に使われた」という主張は難しいでしょう。
また、既に未公表ではないので公表権侵害は主張できません。
したがって主張できるところしては、写真が改変されていれば同一性保持権侵害に基づきその差止請求等ができる程度かと思われます。