業務委託スタッフの契約違反に関する違約金請求の法的問題について相談したい
美容関係のサロンを運営している法人の代表です。サロンでお仕事をしている業務委託のスタッフがいるのですが、業務委託契約の内容を違反していることがわかりました。業務委託契約書の中にも違反した場合は50万円の請求をする。ということを記載しているのですが、以下のような違反の場合、何か問題がありますでしょうか？違反していた内容は以下のとおりです。
1、無断でのInstagram写真の使用
株式会社Beautripが所有する写真を無断で新店舗のInstagramアカウントに投稿しました。この行為は、業務委託契約書第13条に基づく写真・画像・文字等のデータ提供及び禁止事項の違反に該当します。
2、競業避止行為
まつ毛と眉毛の専門店prima店舗内で自ら仕入れた商品を顧客に販売し、自身で売上を受け取っていたことが確認されました。この行為は業務委託契約書第12条に基づく競業避止の競業行為に該当します。
3、誹謗中傷
株式会社Beautripに所属するスタッフ、お客様に対する誹謗中傷、社内事情の拡散などの違反行為が発覚しました。忠告を行いましたが、その後も誹謗中傷が続いていることが確認されました。
こちらで違約金の請求をしようと思うのすが、それにあたって不利にならないよう、事前に確認したいです。
貴社と当該スタッフとの間の業務委託契約書を拝見し、さらに具体的事情をヒアリングした上での詳細な検討が必要ではありますが、ご記載いただいた内容を前提とすれば、当該スタッフの行為はいずれも故意に行われたものといえますので、違約金の請求自体は可能であると思われます。
懸念点としては、当該スタッフの就労実態次第では、当該スタッフとの契約が、業務委託契約ではなく労働契約と判断される可能性があることが挙げられます。
仮に、労働契約と判断された場合、労働契約違反に関する違約金の定めをすることは禁じられている（労働基準法１６条）ため、この点は検討しておく必要があります。
また、上記ハードルをクリアした場合でも、違約金の額が高額すぎる場合には、公序良俗（民法９０条）違反により、当該違約金条項が無効となるリスクがあります。
もっとも、競業行為や誹謗中傷行為の制裁としては高額すぎるわけではないため、無効となるリスクがそれほど高くないと考えられます。
なお、本件において検討すべき点をまとめると、以下のとおりであると考えています。
・当該スタッフとの契約が、業務委託契約ではなく労働契約であると判断される余地がないかどうか。
・貴社の各店舗のInstagramの管理体制及び運用状況（これまで、貴社スタッフが、貴社店舗のInstagram上に写真をアップロードしてきていたという慣行があり、それを貴社が黙認してきていたという事情があれば、違法性が否定される可能性があります。）
・競業行為該当性（貴社は美容関係のサロンを経営されているとのことですが、同サロンのサービス内容と、当該スタッフの行為を比較し、当該スタッフの行為が「競業行為」に該当するかどうかが重要となります。）
・誹謗中傷の具体的内容、並びに当該スタッフに対する忠告の内容及びその証拠の有無
ご回答いただき、ありがとうございます。
いただきました検討すべき点をもとに、改めて自分でも調べてみたいと思います。
ありがとうございます。
とんでもございません。
もし疑問点等あればご遠慮なくおっしゃってください。