金融機関での着服後の逮捕の可能性について知りたい

昨年8月に勤めていた金融機関で300万円の着服をしてしまい、懲戒解雇となりました。
着服した分は全額返済済みです。

勤めていた金融機関が関東財務局の金融検査が行われる予定らしいのですが、逮捕されることはあるのでしょうか?
ちなみに昨年8月に解雇されてから警察などから連絡はありません?
ご回答のほどよろしくお願い致します。

時期や懲戒解雇時の勤務先とのやり取り等、詳しい経緯・状況が分からないので何とも言えませんが、着服が横領罪等に当たるものであれば、一般に、逮捕等の刑事事件化の可能性はあるということになるかと思います。

少なくとも、「着服」し、それが横領罪等に当たる場合、後から返金しても、「着服」が遡ってなかったことになる訳ではないので。

一般論として、被害額や行為態様から考えて、捜査機関が捜査に着手した場合、相応に逮捕の可能性はあると思われます。
可能であれば、(弁護士を介してでも)被害者と示談契約を締結することを検討してください。

全額返済していても懲役などもあるのでしょうか?

被害者の被った損害の経済的回復は、経済事犯の場合、相談者さんにとって有利な情状証拠の一つになり得ます。
他方、裁判官はその他の事情(行為態様、犯行動機、被害者の処罰感情、前科前歴等)も含めて、相談者さんへの刑罰を総合的に考量しますので、被害弁償がなされたからといって実刑の可能性が全くなくなる訳ではありません。

一般的な量刑相場で申し上げると、初犯で300万円の業務上横領罪は横領罪の中でも結果が比較的重大ですので、実刑の可能性は十分あります。
全額被害弁済済みであれば執行猶予付き判決の可能性は高まりますが、横領行為当時の役割や横領行為の頻度、社会的影響、l家族の監督の有無等によって、裁判官次第で執行猶予付き判決も実刑判決もいずれも考えられるところです。

【質問】
昨年8月に勤めていた金融機関で300万円の着服をしてしまい、懲戒解雇となりました。着服した分は全額返済済みです。勤めていた金融機関が関東財務局の金融検査が行われる予定らしいのですが、逮捕されることはあるのでしょうか?ちなみに昨年8月に解雇されてから警察などから連絡はありません?

【回答】
金融機関としては、預金者から預かっている預金を預かるビジネスをしているわけですから、業務上横領事案を内輪の中でとどめておくことは、コンプライアンス上、なかなかできないのではないかと思います。また、金融機関の職員という社会的地位(より規律が求められる立場)の人物が業務上横領をしたことによる社会的な影響などを考えると、犯情は悪質であるということはできると思います。

もっとも、経済事犯において重要な「有利な情状」は、「被害弁済の有無・程度」です。被害金額である300万円を100%被害弁済をしているという点は、かなり、情状上、有利に働くと思います。十分に執行猶予が認められる事案であると思われます。