保険不正受給分の返還請求をせず、口頭注意で終わらすのは罪にならない?

民間の動物医療保険に入っています。動物病院側が保険の不正請求(やってもいない検査が明細に載っていた)及び多重請求(一回しかやってない治療を、診察だけだった2回目も明細に載せていた)によって、保険金を不正受給している事が、明細をじっくり見てみて判明しました。

その事を保険会社に伝えたところ「口頭注意しました」で、終わりにされました。保険金は私たちの掛け金(と、その運用益)から支払われているのだから、不正受給分を動物病院側に返還請求しないのは、担当者による保険会社への背任行為、または加入者への背任行為にはならないのでしょうか?

どういう理由で口頭注意にとどめたのか事情が不明ですし、任意の返還に応じた可能性もあります。

刑法上の背任罪は本人に財産的損害が生じていなければ成立しませんので、保険会社がその担当者の行為を適正な業務処理として認めているのであれば、背任罪が成立する余地はないでしょう。

保険会社との間でどのような話し合いがなされたのか不明であるため、返金がされていないのか、されたのかもわかりません。

また、加入者への背任行為とはならないでしょう。加入者に対して財産的な損害が認められないかと思われます。

井上弁護士、泉弁護士 さま

早速の回答ありがとうございます。なるほど、直接被害を受けた訳ではないのと、会社の方針であれば背任にはならないんですね。

また返金のこと、書き漏らしまいすみません。任意も含めて返金はしてないどころか、身に覚えがないと突っぱねて来たようですが、それはそれで済ませてしまったみたいです。

またうち以外にも、同様の目に遭ってる人もいました。

保険会社はそれでよくても、やはり騙して利益を得るのを見逃しているのは、保険金を払わされている身としては、釈然としません。詐欺にも該当しないのでしょうか。

保険会社に聞いたところ、明細が出たら機械的に払っているそうで、恐らく数件なんてレベルではないし、ずっと前からやってる可能性も高いと思っています。

考えられるとすれば保険会社に対する詐欺罪(詐欺行為)ですが、刑法上の詐欺罪はもちろん、民事上のモラルリスク(保険金詐欺行為の類型)についても、立証のハードルは非常に高いです。数年にわたって大規模に行っておりミスのレベルでは片付かない程度の悪質なものでなければまず刑法上の立件は困難であり、民事上の損害賠償請求等をするにせよ、保険会社の敗訴事例も相当数あるため、敗訴のリスクを慎重に考えると思います。
いずれにせよ、保険会社側が考えることであって、契約者側が出来ることは特にないと思われます。

お二人とも本当にありがとうございました!