"不倫問題に関する慰謝料請求についての相談"
主人が6年間不倫をしておりました。
私たちの婚姻生活は約20年になります。
はじめは全て受け入れ、やり直そうと思っておりました。
なぜなら、不倫相手に自分が独身であると偽っていたからです。
相手も被害者だと思い、全て忘れて主人ともやり直すことを決意しておりました。
ですがなかなか自分の中で消化できず、不安や裏切られたショックが癒えず、夫婦で話し合い、離婚も視野にいれることにしました。
子供がおりますので、離婚はなるべく避けたいのですが、私の気持ちがなかなかおさまりませんし不安定です。
ひとつのけじめといいますか、前にすすむきっかけとして、相手へ慰謝料請求を考えはじめております。
なぜなら、主人に騙されていたとはいえ、子供がいることは突き止めていたらしく、詮索すれば妻がいることも知り得たのではないかと思えてきたからです。
できるところまででもいいので、慰謝料請求に向けて動きだしたいのですが、いくつか懸念もあります。
・一度だけですが、私から不倫相手へ謝罪と私の携帯番号を記載したメールを送ってしまったこと→慰謝料請求できないのか?
・相手へ請求できたとして、相手も騙されていたことから主人への慰謝料請求がこないか?
この点が不安要素であります。
長くなりましたが、御回答よろしくお願いいたします。
>・一度だけですが、私から不倫相手へ謝罪と私の携帯番号を記載したメールを送ってしまった
>こと→慰謝料請求できないのか?
連絡内容等にもよるのですが、不貞相手の慰謝料支払義務を免除(あるいは、貴方の慰謝料請求権を放棄)するような連絡内容でない限りは、今後、慰謝料請求することは可能だと考えられます。
>・相手へ請求できたとして、相手も騙されていたことから主人への慰謝料請求がこないか?
騙されていたとのことなのですが、【子供がいることは突き止めていたらしく、詮索すれば妻がいることも知り得たのではないか】という事情もあるようですので、不貞相手において仮に既婚者であることを容易に知り得たということであれば、不貞相手から貴方の夫に対する慰謝料請求は認められないのではないかと考えられます。
慰謝料請求が不可能だと結論付けるものではないと考えます。ただ、夫が独身だと嘘をついていたことが前提となりますので、その点は不利益な事情となります。
子どもの件に関しては、
「婚姻関係破綻」の反論に対しては意味のある事情です。
ただ、夫が騙したこと自体による損害賠償義務は生じるでしょうし、仮に不貞の損害賠償が認められた場合の求償請求の際に考慮される可能性(責任割合が半々とならない)があります。
前提として、
「慰謝料請求しようとすること」と、
「請求した慰謝料が裁判で認められること」は別ですので、
それを踏まえて以下の通り回答いたします。
・一度だけですが、私から不倫相手へ謝罪と私の携帯番号を記載したメールを送ってしまったこと→慰謝料請求できないのか?
→可能であれば送った内容を見せて、弁護士に相談に行ってみることをお勧めします。
相談者さんのお書きいただいた事情をもとにすると、慰謝料を請求する場合
「独身と嘘をつかれてはいたが、きちんと注意を払えば気づけたのに不倫した」と主張していくことになると思います。
実際裁判になった場合、夫からはどれくらい証言等協力が得られるのかなど含め、
慰謝料が取れる見込みを検討することが重要です。
・相手へ請求できたとして、相手も騙されていたことから主人への慰謝料請求がこないか?
独身だと信じたから交際したのに騙された、ということで慰謝料請求の可能性はあります。
なお、相手から夫への請求としては、
①相手自身が騙されたことを根拠とする請求
のほかに、
②相談者さんに慰謝料を支払った場合、夫も分担するように、という分担の請求(求償権といいます)もありえます。