SNSで口座を教えてしまい、返還請求や警察からの連絡がある場合の相談

SNS上で自分の口座を教えてしまい、相談させていただきたくご連絡いたしました。

〚現時点での状況〛
・法律事務所から返還請求通知が来ている
・警察から銀行に口座解約の連絡が来ているため解約手続きをしている
・犯罪収益移転防止法違反(加害者の立場になる)の可能性があるため被害届けは出せない
・何件かの警察が関わっているためどこの警察が取り扱うか協議をし、警察からの連絡を待っている
・カード等を受け取っていないため口座の取引状況が分からない
・口座自体は一度も利用していない
・SNSのやり取りやメール等を整理したため証拠になるものはない

〚回答していただきたい内容〛
・自分の口座が詐欺に使われていたとしても返還する義務はあるのか
・相談した場合の手数料や費用等はどのくらいになるのか
・逮捕等されたくない場合どうしたらいいのか

口座売買は犯罪であり、その口座が特殊詐欺などへ利用されるに至ったことについてあなたに過失が認められれば、損害賠償責任を負うことになるでしょう。
「口座自体は一度も利用していない」ということですが、例えば相手の依頼に応じて、最初から口座情報を渡す目的で新規に口座開設を行ってログイン情報を相手へ送信したといった事情がある場合、民事の責任としては共同不法行為又は幇助として損害賠償義務を負うのはもちろん、刑事においても犯収法違反よりも重い(金融機関に対する)詐欺罪で立件される可能性があります(詐欺罪には罰金刑がなく、詐欺で起訴されると在宅でも正式裁判になります)。
口座情報を教えるに至った経過次第では責任がないと評価される可能性は(理論的には)あり得ますが、口座情報を教えること自体が犯罪行為であるため、本件で民事・刑事両面で責任を免れるのは難しいかもしれません。

罪証隠滅や逃亡のおそれがなければ逮捕までされる可能性は低いですが、上記のとおり、犯収法違反にとどまるのか詐欺罪の可能性があるのかも問題になりますし、民事の責任については今後訴状や内容証明が多数届く可能性も否定できませんので、弁護士へ相談又は依頼することを検討した方がよいでしょう。

口座名義人に対しての賠償請求については、一部や全額が認められているケースもあり、口座を貸しただけだから責任がないという主張をしても民事上の責任を免れることは難しいかと思われます。

また、他人に利用させるために口座を開設し、情報を渡したとなると、銀行に対しての詐欺罪となる可能性もあり、犯罪収益移転防止法違反や詐欺罪として刑事事件となる可能性もあるでしょう。

一度個別に弁護士に相談された方が良いでしょう。