補助金絡みの業務とその支払い問題に関する法的アドバイスの求め

私は自営業で補助金サポートや各種制作業務を行う事業を営んでいるものです。
クライアントとの業務内容とその支払いについて、揉めてしまいましたので、何かアドバイスをいただきたく以下記載させていただきます。

とある士業クライアント様の案件で、補助金申請をあくまでもサポートを行うことで仕事の発注につながる前提で、お手伝いしました。この場合、サポート自体への対価は求めておらず、採択された場合に弊社に案件を発注していただくような形をとっており、一定の信用やある種のサービス的な側面から契約書等は取り交わしておりません。(申請サポート単体の場合はその報酬を別途定めており、沿って処理を行っています。)

もともと申請前から、法人成りをする前提で話は伺っており(書類もその内容で記載し)、採択された後でも変更申請をかけることで問題がないか補助金事務局にも確認を取ったところ、それ自体はOKとの話だった為、申請し無事採択となりました。

現在では、補助事業も進み、各種制作物の作成もほとんどの工程を終えている状態です。

その後、上記変更申請手続きを先方が進めていく中で、改めて補助金運営事務局に確認した際に発生した問題の報告を受けました。
その際にこちらも初めて知ったのですが、個人事業主から法人化という認識で進めてきたものが、実のところ法人化するというのは複数士業のうち一事業で、他の士業をやっていることもあり、個人事業自体はそのまま存続しているとのことでした。
このことにより、事務局からの回答としてはこのケースは分社化にあたるので補助金が支払われない(申請破棄要請)ということになりました。(個人事業を畳むor個人事業のまま条件をクリアできるようにすることは先方NGなのでほぼ決定事項です。)
ちなみに、この分社化に関する記載は、補助金の公式サイト及び要綱等の書類に記載がありませんでした。

クライアントは、減額ないしは支払いの不履行をにおわせてきたうえで、こちらの責任を問うてきています。
先方は言い分として、
①補助金が下りる前提で依頼をしていたこと
②複数士業をやっていることはこちらも既知であることから、該当士業のみを法人化するにあたり個人事業を残すことがわかるはずだ。また何度もその旨をメールでも電話でも伝え大丈夫かと確認をした。
と主張しています。

まず、こちらの見解・主張としては、
①に対し
・前提にも記載した通り、もともとサービスに近い形でサポート行っており、補助金の支払い有無自体をこちらへの支払い契機にしていないこと。(もちろん下りる前提で協力はしていたため納期や手続きの融通はしております。)
・また、あくまでもサポートであり申請をかけたのは事業者本人であること。(認識の違いや言った言ってないはあるかもしれないが、都度確認や内容は伝えている。)
・そのうえでサポートをしたことで採択された場合に仕事を発注いただく前提であったこと。
・その発注された制作物に着手~外注費等の経費が掛かっているどころかほとんど納品するだけの状態まで終わっていること。
・これらによりそもそも論点となりえないこと。

②に対し、
・複数士業をやっていることは知っていたが、(言った言ってないなので相殺かと思いますが…)個人事業を残すと言ったことは聞いておらず、また詳細な事業体系や構想などまでは知りえなかった。
・メールを確認したところ、法人化における変更申請手続きの確認やりとり部分で、事務局確認を行ったうえでこちらからの回答部分や先方の記載で先方の主張に該当するものは以下のみ。
A.こちらからの確認報告にて「法人なりについても申請期間中に法人になっても採択後変更申請を提出すれば問題ないとのことです(士業法人も対象ですので)」の記載
→あくまでも法人成りとしての回答、補助金事務局の回答同様
B.申請する枠が変わることによる人数等の条件確認の部分で先方から「○○士事業は法人化後は社員が~※人数情報」の記載、そのままの流れで要件として「再度の確認として大丈夫でしょうか」の記載
→その後人数等の条件を満たしている回答をしているが、これは申請枠変更に対するもので送られてきた情報が条件に当てはまるかのものである
・加えて、上記も含め、法人化という言葉や法人成り(という記載)を前提で進めており、個人事業を存続させたうえで一事業のみを別途独立化・会社設立させるというようなことは想定していなかった。

長文で申し訳ありません。
この場合、こちらに責任はあるのでしょうか?また支払いについてはどうするのが正解でしょうか?
もしかしたらこのままずるずる行ってしまうのではないかと不安です。額もそれなりに大きいことと外注費などの支払いもあり厳しい状況です。

アドバイスいただけますと幸いです。

・まず、①制作業務委託契約の締結(業務内容、報酬)、②契約に基づく制作業務の履行があれば、報酬請求権自体は成り立ちます。
 (こちらは発注書があるのですかね?書類がなければ、メッセージのやり取りから立証ができるか(特に金額ですかね)、ということになります。)

・これに対して、相手方は、
  A)制作業務委託契約における報酬支払条件の合意(補助金下りれば支払うよ)
  B)補助金申請補助業務委託契約の債務不履行に基づく損害賠償請求との相殺(きちんとアドバイスしてくれていれば補助金もらえただろ)
  C)制作業務委託契約の錯誤取消(補助金下りるならということで契約したのに話が違う)
 などと反論(主張立証)する構造になりそうです。
 これらが立証できるかという局面では、契約書が無いことや「言った言ってない」の問題はこちらに有利に働きそうです。

・こちらに責任がないと言えるかは、補助金申請補助業務委託契約の具体的内容次第で、それは証拠の評価の問題なので、恐れ入りますが、意見できません。
 ただ、申請要件の確認は一義的には相手方の責任だ(無償、申請名義は相手方、要件を外部者が網羅的に確認して保証することなど不可能)という主張も説得力があると考えますので、
 あくまで全額の支払を求める、というスタンスでよいのかなという所見です。