会社からのPIP・退職勧奨についてのご相談です。
会社からのPIP・退職勧奨についてのご相談です。
本年2月から8週間PIPを実施し、結果は会社の期待するパフォーマンスに満たなかったとのことです。
その後2ヶ月間、会社から次のステップについては何も連絡がない状態だったのですが、社内で私の解雇が正式決定したという情報が同僚から連絡があり、事実確認をしたところPIP終了後の話し合いの場が設けられ、退職かまたはPIPを実施しながら勤務を続けるか、というものでした。
強要はしないものの会社としては退職させたい意向がみてとれる状態です。
PIP実施に至った評価も不当なものと感じており、その点について会社からの説明は曖昧なもので、納得できないとして書面にはサインしておりません。
また、私個人としては引き続き今の会社で勤務を続ける気ではいます。
今後勤務を続けていく上でPIPや退職勧奨の撤回を求めることは可能でしょうか。
また、解雇が決まったと知らせた同僚は、表向きは善意での行動ですが、会社や同僚に対してできることはありますか?
アドバイス頂けますと幸いです。
・PIP実施命令は労働契約に基づく指揮命令の一環ですので、命令に従わなければそれ自体が職務命令違反として懲戒につながります。
PIPの内容について「協議」を行っているフェーズでは「撤回していただきたい」という内容を含めた意見を出すことはできましょうが、「命令」のフェーズとなれば従わざるを得ないでしょう。
「強要はしないものの」というご相談内容からは、まだPIP実施についても「協議」のフェーズなのかもしれません。「協議」なのか「命令」なのかを確認しましょう。
仮に「命令」であったとしても、PIP実施の結果を後日解雇の合理性立証に用いることが目的でしょうから、「命令」された業務目標にそもそも無理がある等であれば、理由と共に記録に残る形(メール等)で「意見」は残しておきましょう。
・かくして繰り返されたPIP実施の結果、あるいはその前提となる評価についてご不満が残るのであれば、退職勧奨はお断りすればいいのです。応じる義務はどこにもありません。
労働者が断っているにもかかわらず退職勧奨を続けること自体が不法行為と認定された裁判例もあります。繰り返されるのであれば面談を録音をしましょう。
・会社がどうしても退職させたいのであれば、「能力不足」を理由に解雇を行います。まだ「退職勧奨」されている段階ですから、「解雇」はされていません。同僚からの伝え聞きは「解雇」ではないです。
正式な解雇通知があって、その段階で初めて、「能力不足」には理由がない、そもそもPIP実施が不当だと意見して、解雇無効(撤回)を裁判所に訴えていくことになります。