父のお金を父の兄夫婦から取り返したい

先月父が亡くなり、その際、父が自分の兄夫婦に500万円渡していたことを知りました。渡した理由を母に確認したところ、10年前に同居していた父の母親が亡くなった時、母親の預貯金がもっとあったはずだ、一緒に生活していたお前が使ったに決まっていると言われ、何度否定しても決めつけてくる兄夫婦に嫌気がさして、父も短気なところがあるので500万円渡して、もう二度と連絡してくるな、兄弟の縁を切る、っていう感じで終わらせてしまったようでした。実際には、父は使ってもないし、なので当然そんな証拠も存在しないので、お金なんか渡す必要もなかったのに、その話を聞いてびっくりしました。今後、母がこの先生活していくためにも必要なお金なので、出来れば取り返したいと考えてるんですが、訴えて取り返すことは可能なのでしょうか。本来、兄夫婦に受け取る権利などないお金なのに、父が渡してしまった以上、どうにも出来ないのか知りたいです。

結論からすると、返還を求めることはできないと考えられます。
ご相談概要記載の内容からすると、非債弁済になると考えられます。

(債務の不存在を知ってした弁済)
民法第七百五条 債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。

お父さんは兄夫婦に対して、不当利得返還請求権を行使できた可能性があります。
不当利得とは、法律上の原因(権利)がないにもかかわらず、他人に財産などの損失を与えることによって得た利益を言います。
したがって、お父さんが兄夫婦に金銭を渡したことや、それについて法律上の原因がないこと等の請求に必要な諸事実を証拠等で立証することで返還請求を行える可能性があります。
相談者さんが亡くなったお父さんの相続人であれば、このお父さんの不当利得返還請求権を相続したとして、行使することになろうかと思われます。
ただし、贈与の可能性や法定相続分、時効など色々なハードルがあると思われますので、最寄りの法律事務所に相談されることをお勧めします。

たいへん参考になりました。ありがとうございました。