民法651条2項に基づく損害賠償請求の、実損証明について
私はWEBシステムの開発を生業とする個人事業主です。
先般、取引先と急に連絡がつかなくなり、音信不通になった数日後に相手方が弁護士を立てて契約を破棄してきました。
こちらは、急に契約破棄をされても新しい案件など代替となるものを用意できるまでに時間がかかるので、その逸失利益を損害賠償を請求ました。
ところが、相手方は民法651条を根拠に、今回のような準委任契約の解除はいつでもできるので損害賠償を行わないと主張してきました。
しかしながら、同条には「相手方に不利な時期に委任を解除したとき、やむを得ない事由がなき限り、相手方に生じた損害を賠償しなければならない」と明記されています。
当方は、これを根拠に、損害賠償請求を断念しないことにしました。
ただ、損害賠償の場合は、実際に生じた損害(以降「実損」と表記)を証明する責任があるとのことです。
これは具体的にどのように証明すればいいのでしょうか?
実際に仕事が途切れているので、収入も途絶えているのですが銀行口座の入金記録は証明の効力を持たないのでしょうか?
上記が不十分であれば、何が証跡としてふさわしいでしょうか?確定申告の結果などでしょうか?
ご質問に対して正面から回答するのは難しいです。
立証の程度、方法は、各事案様々ですので一概にどれがあれば十分というわけではありません。
契約破棄がなければ得られた逸失利益を損害と捉える場合、前年収益との比較で損害を立証することも一つの方法だと思います。
ただ、訴訟過程で経費や他の収益可能性等の反論も想定され、それに応じた主張や証拠選択の必要があると思います。