業務委託契約の範囲を超えた要求に関する相談

現在、個人事業主としてマーケティング会社の業務委託をしています。
小さなマーケティング会社で、現在は社長一人、正社員一人、学生アルバイト数名、私のような業務委託スタッフが数名という会社です。

現在の私の業務委託での状況は下記になります。
・フルリモートでの業務
・週に2日勤務(8時間勤務)
・勤務時間はコアタイムが10:00-16:00は設定されている
・事前にシフトを提出する必要がある(前月中に次月の勤務日を申告する必要がある)
・シフト変更が必要な場合は代表に連絡して調整を行う
・業務内容は細かな指示があり、勤務時間中に頻繁に打ち合わせが発生する(いつコールやメッセージが飛んでくるか分からない)
・報酬は時間給
・マーケティング業務の他に、学生アルバイトや他の業務委託スタッフへのマネジメント業務まで依頼される

正式な乗務委託契約は交わしておらず、働き始めた時に「時間給であること」「事前に勤務日を決めてほしい」むねは言われていました。また、業務内容としてはマーケティング業務だけを想定していました。このような働き方について文書で当初クラウド上で共有はされましたが、勤務し始めてからその文書を確認することが途中でできなくなりました(契約書ではなく、サインなども特にしていないものになります)。

最近、会社のアルバイトなど他のスタッフのマネジメントを依頼され、他のスタッフのシフトに私が合わすように要求されます。

また、会社が土日休みで、代表が水曜は自分の時間を作りたいという希望で、実質、月火木金にシフトを入れるように求められます。

月火木金の間で自由にシフトを決められるのならまだいいですが、他のスタッフが火木金に入るから、そこにシフトを合わせて欲しいと言われたり、なるべく週の前半後半に分けて1日ずつ入って欲しいと言われます。

私が事前にシフトを出していたにも関わらず、他のスタッフと日程が合わないシフトを出すと、「なぜ現状のようなシフトになるのか、どんな予定があるのか」と細かく聞いてこられます。

また当該会社のクライアントとの打ち合わせ日程で、私のシフトと日が合わない時は、私が打ち合わせに合わせてシフトを調整することもあります(私のシフトに合わすと、打ち合わせがかなり先になりそうな時は、「今月中には打ち合わせをする必要がある」など、結局私にシフト調整を求めてきます)。

基本的に私は自分一人で業務を進められますが(他のスタッフが私の仕事を手伝うということは、ほとんぞない状態)、アルバイトへの指示を出してほしい、教育して欲しいとう理由で入る日を絞ってくるというのは、業務委託としては範疇を超えているように思いますが、実際問題はないのでしょうか?

実態としては雇用契約の形での勤務を求められますが、業務の種類が変わっても特に報酬は変わらず、もちろん社会保険料などはいただいていません。

雇用状態と業務委託を先方の都合のいいように使い分けされており、非常にストレスを覚えます。私としては勤務時間や勤務日数が自由である業務委託が望ましいので、先方と交渉をしたいですが、どのようにすればいいかアドバイスをいただきたいです。

形式的に業務委託契約という名称が使用されていたとしても、実質的に労働者と言える場合には、労働法による保護を受けることができます。
 どのように、労働者性が判断されているのかという判断基準は、労働基準法研究会報告「労働基準法の『労働者』の判断基準について」 (昭和 60 年)が参考になります。そこで挙げられている基準は、以下のとおりです。

1 使用従属性に関する判断基準
(1) 指揮監督下の労働
イ 仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
ロ 業務遂行上の指揮監督の有無
ハ 拘束性の有無
二 代替性の有無
(2) 報酬の労務対償性

2 労働者性の判断を補強する要素
(1) 事業者性の有無
イ 機械、器具の負担関係
ロ 報酬の額
(2) 専属性の程度 等

 仕事をする時間や場所の拘束が強い、依頼や指示に対する諾否の自由がない、業務を遂行する上で上司等のの指揮監督がなされる等の事情がある場合には、実質は労働者と言える可能性が出てきます。
 この基準等を参考に会社と交渉してみる、会社側との話し合いが上手く行かないような場合には、お住まいの地域等の労働局や労働基準監督署に相談してみることが考えられるかと思います。