仮執行宣言後の仮差押え可否と財産開示請求の順序について

個人事業主の元カレにお金を650万円貸していて、全く返済されていない状態です。
個人で法的措置を取ろうとしています。
仮執行宣言付支払督促を元カレの家に送り、受け取って貰えましたが、連絡もなにもありません。
個人事業主なので預金口座を差押えしたいと思っています。口座も1つはわかっています。
もう2週間経つので次は仮執行宣言を申立てするのですが、この時点で仮差押えはできるのでしょうか?
仮執行宣言の後に仮差押えして、また他の口座や資産を調べるために財産開示請求をする。というのが、正しい順番なんでしょうか?

相談に乗っていただけると嬉しいです。

財産開示手続の利用には、ある程度財産調査をしたものの財産状況が不明であるという事情や、差し押さえをしたけれども全額の回収ができていないという事情が必要になります。

通常の進め方としては、判明している口座について差し押さえを行い、それでも回収ができていない場合に財産開示手続を進めることになります。

支払督促送達後2週間以内に異議がない場合、債権者の申立てにより支払督促に仮執行宣言が付与されます(民訴法391条)。
仮執行宣言付支払督促は債務名義となるので(民執法22条4号)、仮執行宣言が付与されれば(仮差押でなく)差押えができることになります。
財産開示の要件として、強制執行の不奏功等があるので(民執法197条1項)、差押えをしてから財産開示請求をするのが原則といえます。
差押えをせずに財産開示をすることも出来なくはありませんが、それを希望する場合には弁護士へ相談した方がいいと思います。
なお、仮執行宣言付支払督促が確定しても、既判力(裁判内容を争えなくなる効力)は生じないと解されているので、正式裁判により貸金債務の存在を争われる可能性にご注意ください。