月額制ピラティススタジオを退会したいが、利用規約に退会制限がある。退会可能か?

月額制のピラティススタジオに通っていますが、なかなか予約が取れず退会したいです。
退会を申し出たところ、「ご入会後満8ヶ月の継続が必要となりますので、2024年9月末以降の退会が可能です。」と返信が来ました。

利用規約を見ると以下の通り記載がありました。「第15条(退会)
・⚫︎【⚫︎は店舗名です。】
退会する場合には、利用終了希望月の当月10日までに会員本人が退会届を直接会社に提出し、未納分の会費および利用料などを完納したときに、退会できるものとし、10日を過ぎた場合は翌月末日退会とします。
また、会社が別途定める在籍期間が満了せずに退会することはできません。また、休会期間中は在籍期間とみなしません。」

入会の流れは一度体験会に行き、そこで勧誘を受け当日中にネットで入会申し込みをしました。勧誘の際に退会についての説明はなかったと記憶しております。

なかなか希望の時間で予約も取れず退会したいですが、上記の規約のように退会に制限を設けることは可能なのでしょうか。

利用規約第15条「また、会社が別途定める在籍期間が満了せずに退会することはできません。」の部分について、定型約款に関する民法548条の2第2項が適用できる場合には、退会制限は契約内容から除外され、退会できる可能性があります。
 また、消費者契約法10条、民法90条等の適用により、無効になる可能性もあるかもしれません。
 いずれにしても、より詳しくは、①お住まいの地域の消費者センターや適格消費者団体等に相談してみる(悪質なケースでは行政が動いてくれる可能性があります)、②消費者問題に取り組んでいる弁護士に直接相談してみて下さい(弁護士会や法テラス等で消費者問題に関する専門相談を実施している場合もあります)。
 
【参考】民法
(定型約款の合意)
第五百四十八条の二 定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
2 前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。