離婚後の慰謝料免責に関する疑問

現在妻とは調停を通して完全別居中です。
私の不貞行為により今後離婚&慰謝料請求をされる可能性があります。
同時に私は多額の借金を抱えているので、完全別居による婚姻費用を支払うために、すべての借金とクレジットカード支払いを自己破産する予定で弁護士事務所にも相談にいきました。

自己破産が成立したあとに離婚をして慰謝料請求をされた場合、
離婚の原因が自己破産成立前、裁判所に定める完全別居日が自己破産前であっても慰謝料は免責されないでしょうか…?

非免責債権のうち、破産法253条1項2号該当性が問題となりますが、同号にいう「悪意」とは、故意を超えた積極的な害意をいうという解釈が裁判例・実務では一般的です。貴方において、配偶者を精神的に苦しめるなどの目的で敢えて不貞行為に至ったような場合でない限りは、非免責債権には該当しないということになるでしょう。

<参照:破産法>
第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 (略)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
以下(略)

ありがとうございます。
その説明はよく見るのですが、

免責許可がおりたあとに、慰謝料請求をされた場合
(例えば免責許可がおりた半年後)

にもそれが適応されるのかが気になっています。

前提を誤解されているかもしれませんが、破産免責後に離婚慰謝料請求される場合、民事訴訟等の攻防の順序は、
(免責許可決定→)離婚慰謝料請求(訴訟)→破産免責の反論→非免責債権該当の再反論→非免責債権非該当の再々反論、となります。
ですので、貴方の懸念は、比較的一般的な局面に関する懸念であり、先程の回答が当てはまる局面であると考えていただいてよいでしょう。

いずれにしても、【自己破産する予定で弁護士事務所にも相談にいきました。】ということですので、そちらでもよく相談してみるとよいと思います。

相談した弁護士さんは、免責許可おりてその後に請求されたら支払わないといけないかもしれませんね。
とおっしゃっておりまして。

ありがとうございます!!

念のための補足となりますが、離婚慰謝料と破産の問題は、離婚後の破産かどうか(慰謝料支払済かどうか)、離婚訴訟・調停・審判中の破産であるかという点について検討が必要です。貴方のケースでは、調停係属中ということなので、仮に破産手続が開始しても調停手続は中断しませんが(家事事件手続法44条、258条)、債権者一覧表への記載等についても含め、依頼予定の弁護士とよく打ち合わせをすることが重要だと思われます。

<参照:家事事件手続法>
(法令により手続を続行すべき者による受継)
第四十四条 当事者が死亡、資格の喪失その他の事由によって家事審判の手続を続行することができない場合には、法令により手続を続行する資格のある者は、その手続を受け継がなければならない。
2 法令により手続を続行する資格のある者が前項の規定による受継の申立てをした場合において、その申立てを却下する裁判がされたときは、当該裁判に対し、即時抗告をすることができる。
3 第一項の場合には、家庭裁判所は、他の当事者の申立てにより又は職権で、法令により手続を続行する資格のある者に家事審判の手続を受け継がせることができる。

(家事審判の手続の規定の準用等)
第二百五十八条 第四十一条から第四十三条までの規定は家事調停の手続における参加及び排除について、第四十四条の規定は家事調停の手続における受継について、第五十一条から第五十五条までの規定は家事調停の手続の期日について、第五十六条から第六十二条まで及び第六十四条の規定は家事調停の手続における事実の調査及び証拠調べについて、第六十五条の規定は家事調停の手続における子の意思の把握等について、第七十三条、第七十四条、第七十六条(第一項ただし書を除く。)、第七十七条及び第七十九条の規定は家事調停に関する審判について、第八十一条の規定は家事調停に関する審判以外の裁判について準用する。
2 前項において準用する第六十一条第一項の規定により家事調停の手続における事実の調査の嘱託を受けた裁判所は、相当と認めるときは、裁判所書記官に当該嘱託に係る事実の調査をさせることができる。ただし、嘱託を受けた家庭裁判所が家庭裁判所調査官に当該嘱託に係る事実の調査をさせることを相当と認めるときは、この限りでない。