使用貸借・立ち退き請求できない?
【物件立ち退き】使用貸借(タダ貸し・口約束)でも
立ち退きさせられない場合があると聞いてご意見を伺います。
改正民法 第598条(使用貸借の解除)
2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、
貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。
3 借主は、いつでも契約の解除をすることができる。」
「返還時期も目的も定められていない場合は、貸主はいつでも契約を終了して、
建物の返還を求めることができます(597条2項)」
これを前提として、立ち退きを求めたいのですが
出来ないよという謎の意見がありました。
「訴訟の構造上、資料貸借契約を解除したいと思う側で、
一時居住目的であることも立証しなければならないため、
(立証ができないと解除ができない)
一時的なものであるとの認定が証拠上できないと、
単なる居住目的ということになり、
ある程度の期間は継続させなければならない(解約ができない)という判断に繋がる。
居住用としての利用の場合、使用開始してから一定の期間(結構長期)は、
使用継続が前提(その間は解約ができない)と言われることがあり、
訴訟で勝つのは難しい。」
大家側は「長期で使っていいとは言っていない。一時的な居住という認識」
店子側は「いや長期で住んでいいと言われた」
どちらにも物的証拠がない場合、
本当に訴訟にしても立ち退きは無理という判例なのでしょうか。
(和解しないとして)
店子側は断固として動かない意志です。
また、訴訟しても勝ち目がないのに、
内容証明郵便で立ち退き請求を送れば、何か意味がありますか?
どうせ無視されて終わりだと思うのですが。
どうか宜しくお願いいたします!!!
改正前民法の時代ではありますが、使用貸借の民法597条2項ただし書に関する考え方を示した判例があります。
「土地の使用貸借において、民法597条2項ただし書所定の使用収益をするのに足りるべき期間が経過したか否かは、経過した年月、土地が無償で貸借されるに至った特殊な事情、その後の当事者間の人的つながり、土地使用の目的、方法、程度、貸主の土地使用を必要とする緊急度など双方の諸事情を比較衡量して判断すべきものであるが、使用貸借に基づく使用開始から長年月が経過し、その後に当事者間の人的つながりが著しく変化したなどの事情が認められる場合、借主に他に居住するところがなく、貸主に土地を使用する必要等特別の事情が生じていないというだけでは、使用収益をするのに足りるべき期間の経過を否定する事情としては不十分というべきである(最高裁昭和45年10月16日第2小法廷判決・集民101号77頁、最高裁平成11年2月25日第1小法廷判決・集民191号391頁参照)。」
ご投稿内容を拝見しましたが、やや抽象的に考えられている印象を受けました。判例では具体的等事情に踏み込んで検討を加えています。あなたのご事案でも、判例の考え方を踏まえて対応を検討して行くべきかと思われます。
そのような具体的な検討は、この相談掲示板の役割を超えているため、より詳しくはお住まいの地域等の弁護士に直接相談してみることをご検討下さい。
清水先生、ご回答ありがとうございました!
判例もご提示いただき感謝いたします。
判文も読んでみましたがケースバイケースということなのですね。
使用貸借契約が終了しているかどうかは
どういう関係の相手に、どのような事情で無償で貸したのかという具体的な事実によって決まることが多いです。
弁護士に面談で詳しい事情を話して相談された方がよいと思います。
高島先生 ご回答ありがとうございました!