上司から"私に対するパワハラである"と告げられました。

Question

30代男性です。
野菜の加工を請け負う会社でドライバーとして勤めています。
女性の上司からパワハラであると言われました。

当日は出勤後、直属の上司に「給油をしてきます」と言った後に、
フォークリフト2台、車両1台を給油し、
事務所に給油カードを返却後、持ち場に戻りました。

しかし、その様子を見た上司は「何やってるの？」と
陰口にすらなってないような、聞こえるような声で悪口を言われつつ、
次の仕事の指示を遂行、配達の荷物が出来上がるのを待っていました。

荷物が出来上がったのは10時40分頃。
そこから積み込みを開始して、養生をチェックした後に
出発したのが11時10分。

そこから配達先で降ろして帰社した時間が14時30~40分頃。
配達1回に付き3時間30分ほどの時間を要するので、
妥当な時間のはずです。

しかし、上司は14時半頃の帰社に対して
「休憩をとってこの時間なのですか？これでは遅いです」
と指摘。

「出発時間は何時だと思ってるんですか？」
とこちらが聞き返して、
「何時に出たんですか？」という問いに対して「11時頃です」
と答えたところ、

「それは出発が遅いですね」
と言ってきたので、
「出発が遅いのはこちらの問題ではないでしょう」
と声を荒げて言い返したところ、

「いちいち切れないでもらっていいですか？仕事なんで」
と言い捨て、次の配達に行くように催促してきた。

その後、電話がかかってきて、
「先ほどの行為はパワハラであると受け止めさせていただきます」
と言われました。

翌日、社長と話をしたところ、
「理由はどうあれ、大声で怒鳴りつけて、当人や周りの従業員に対して
　恐怖心を植え付けた損害は大きい」として、
”今後の行動は、謝罪後に勤務を続行するか、あるいは自営業にでも行ってもらうか
自己の判断にゆだねる”、と告げられました。

そもそもこの会社では、

不法投棄命令
過積載命令
無免許フォークリフト運転の常習
一部管理職に対する過大な要求

などを繰り返す、明らかに法令違反真っ黒な営業の中、
今まで文句ひとつ言わずに業務を遂行していたにもかかわらず、
理不尽な指示や指摘に対して反論したところ、
会社から「パワハラ」という烙印を押され、
対応を求められています。

このケースの場合、自分は会社側の要求通り、
謝罪後に業務に復帰するor自己都合退職をする
という行動をとるべきなのか、

あるいは「パワハラ」という烙印を押されたことに対して
名誉棄損で起訴できるのか、

そもそも論点はどこなのか、という部分に関しても、
法律にはあまり詳しくないので、教えていただきたいです。

中井 雅人 弁護士 · Accepted Answer

最後に「そもそも論点はどこなのか」というお尋ねで、おっしゃるとおりそこが重要だと思います。
まず検討するべきは、ご相談者様が解雇に値するほどの行為をしたのか否かでしょう。
解雇に値するほどの行為はないという前提に立つのであれば、法的には「自己都合退職」はおかしいということになります。
「謝罪」については、いくつか選択肢はあるでしょうが、パワハラに該当するかどうかは別にして、声を荒げたこと自体は謝罪するという選択もあり得るかもしれません。
具体的にどういう方針でのぞむかは、お近くの労働事件を専門としている弁護士に相談された方がよいです。

なお、一般論としては、部下から上司へのパワハラというのもあり得ますが、業務上のやりとりから１度声を荒げてしまったという程度でパワハラと断定するのは難しいように思います。
他方、名誉毀損として責任を問うのは難しいでしょう（紛争になった際に使用者が不当なことを言っているという一事情にはなるかもしれません。）。