返品をせずに返金した場合。

・買主は、商品を購入したが壊れて使えない状況
・売主は返金し、買主は商品破棄する対応

この状況で

・壊れて使えない商品が使える様になったから、その後も使用を続けていた場合。

・壊れて使えない商品だが、売却すれば利益があるので、リサイクルショップやネットオークションで売却し、利益を得た場合。

法的にはどの様な見解になるのかお聞かせ下さい。
昨今、返品なし返金といったシステムを導入されるサイトが増え、手元に商品があるのに返金されるケースが見受けられます。
実際、その状況になった売主は「破棄してください」と言われて返金を受けています。
その商品を使用、売却する事で、不当利得や詐欺といった違法行為になるのか教えて下さい。

契約を解除すると、本来、互いに原状回復義務を負うことになります。
この時、「破棄してください」という売主側の要望は、法的には原状回復義務の免除ないしは、原状回復されるべき物の所有権の放棄という風に
構成されます。

そのため、買主側としては、すでに売主が原状回復義務を免除した、あるいは所有権を放棄した商品をいかように処分するも自由な状態となります。
売却しても、使ってもそれは買主側の自由であり、違法行為になることはありません。

違法行為となるのは、壊れていないのに「壊れて使えない」と嘘の申告をして、相手に原状回復義務を免除させたり、所有権を放棄させた場合です。
このときは、偽計業務妨害罪や二項詐欺罪(返還請求権を免除させる詐欺)に該当する犯罪行為となる可能性があります。

ご回答頂きありがとうございます。

頂いた回答を拝見すると、壊れていた事を証明する要素が重要だと認識します。

買主が壊れていた事を証明。
売主が発送した時点で壊れていない事を証明。
配送業者が配送時に破損させていない事を証明。

それぞれ証明責任を負う場合は、この様になるのでしょうか?

壊れていたが、修理したら使えた場合や、売却した商品が売却された後に使用可能な状況だった場合も気になるところです。

売主が破棄しても良いと言い返金した後、やはり返品して欲しいと主張。
買主は証拠になる商品を破棄していた。

という状況で買主に訴えられたという相談も見受けられます。

売主が買主に対し、商品処分後のタイミングで、買主が欺網行為をしたと主張する事も可能なのでしょうか?

民事訴訟法を学んでいないと難しい話となるのですが、せっかくですのでご説明します。

証明責任とは、裁判になった場合に、請求権や抗弁(請求権を潰す反論みたいなもの)を基礎付ける事実を、原告と被告のどちらが証明する必要があるかという問題です。なにを原告と被告のどちらが請求(抗弁)しているのかで、同一の事実でも、どちらが証明すべきか移り変わります。

たとえばコメント欄の「売主が破棄しても良いと言い返金した後、やはり返品して欲しいと主張。買主は証拠になる商品を破棄していた。という状況で買主に訴えられたという相談も見受けられます。」との状況では、売主(原告)は破棄を承諾しているのですから、返還請求は消滅しておりできないのが原則です。

「勘違いで破棄を承諾したので、商品を返して欲しい」という請求権を売主(原告)が主張する場合、勘違いであること、すなわち真実は壊れていなかったことを証明する必要があるのは、その請求権の存在を主張する売主(原告)側となります。