遺言書の開示要求について

先日父が亡くなり 叔母から(父の姉)頼れる身内がいないので死んだ時の喪主及び死後の手続きを私にしてもらえないかと依頼があり 公証人役場で叔母の遺産相続の為の遺言書と任意後見人の契約をする事になりました
私には姉がいるのですが もし叔母の死後相続で遺言書通りの手続きをする際 内容の問い合わせが来る事が予想されます
その際 法律に基づいて 姉の遺言書内容の問い合わせに応じる必要があるか教えてもらえないでしょうか?

公正証書遺言を作成した場合、相続人であれば、公証役場に問い合わせて内容を知ることができます。
ご相談のケースだと、おそらく、ご相談者と姉は、代襲相続人として叔母の相続人になると想像されます。
そうなると、姉からの問い合わせに応じなかったとしても、姉は自ら調査が可能です。
なお、ご相談者が遺言執行人でなければ、姉からの問い合わせに対し、回答する義務は法的にはありません。

叔母には娘がいるのですが寝たきりで
一切の財産を私に相続させる意向です
この状態でも姉ね開示要求に応える必要はありますか

遺言執行者は、任務を開始したときは、相続人に対して遺言書の内容を速やかに通知すべき義務があります(民法1007条2項)。
下記は、叔母に子がなく、叔母の両親(あなたからみた祖父母)が死亡している場合を前提としますが、
あなたのお姉さんは、叔母が亡くなった場合、あなたと共に、亡き父を代襲して叔母の相続人になります。
そのため、遺言執行者にあなたが就任した場合、遺言書の内容を遅滞なく、あなたのお姉さんに開示する必要が生じます。

なお、ここにいう「相続人」に、遺言書で相続分をなしとされた相続人が入るか定かではありません。
兄弟に遺留分はないため、代襲相続人であるあなたのお姉さんも同様に遺留分がないので、遺言書で相続分をなしとされた場合、
あえて、通知する必要があるのか疑問が出るところですが、通知しておくのが無難な気はします。


(遺言執行者の任務の開始)
第千七条 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
2 遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。

現状では、ご相談者及び姉は推定相続人ではないことになりますので、上記回答のケースとは異なります。
しかし、ご相談者が遺言執行者でなければ、回答する義務がないのは同様です。

叔母に娘がおられる場合、配偶者(いれば)と娘が相続人となります。
第三順位のあなたとあなたのお姉さんはその場合、相続人に該当しないので、
仮に遺言執行者に就任していたとしても、開示要求に応じる必要はないように思います