アルバイトでのミスに対する損害賠償を両親に請求され、自宅に突然来られ、お金を支払わされた。
昨年、個人経営の居酒屋でアルバイトをしていた際に、ノンアルコールをオーダーされたお客様に誤ってアルコールを提供してしまい、そのアルコールをお客様が飲んでしまうという提供ミスをしてしまいました。結果的にお店側が迷惑料として1万円、
そのお客様たちが事務所に所属されている方たちだった(どこの事務所かは不明、有名な方ではない)ので、幸いにも飲酒されていなかった方への運転代(ギャラのようなもの)として4万円をお支払いし、お店側が計5万円を負担することで、ことなきことを得ました。その後、私は店主に対して大変申し訳ないことをしたと思い、誠心誠意謝罪し、「お金をお返しします」と伝えたのですが、店主からは「お金はいらない、辞めずに仕事で返してほしい」と言われてしまったため、その日以降もアルバイトを続けさせて頂いていました。ですが、その日以降、学生のため、学校が忙しくなり、全く出勤できなくなり、昨年12月に退職を申し出たところ、店主から「考えは分かった。受け入れるしかないのかな。より一層頑張ると言っていた私の言葉を信じていたのに何も取り返さないまま急に辞めるとは思わなかった。丁寧な言葉を並べ立てるだけではなくて、誠意を見せてほしかった」と返信が来ました。その翌日に、お店にアルバイトで使用していたものを取りに伺ったのですが、その際に店主から以下のことを言われました。
・辞めるということは分かった
・要はやる気がなくなったって
いうことでしょ?
・社会じゃそう甘くはないよ
・俺は気持ちが通じ合ったと
思ったから、要は投資を
したわけ。なのに、10月と12月に1回ずつ
手伝いに来ただけだよね?
・俺としては騙されたと思ってる
・今、賠償問題に詳しい知り合いに相談
したり、色々調べてみたりしたら俺が100%
悪いわけでないみたい
・あの場を収めるためには
その場ですぐに大金が必要
だったが、もし、そちらの
親御さんだったらその場で
バイトのためにお金を出せた
のか?ということを問いたいから、
親御さんをお店につれてきて。
口だけで大金をすぐに出せたという簡単なこと
だから、その覚悟を問いたい。
上記のことを言われた際に、すぐに両親に相談すれば良かったのですが、両親に迷惑をかけてしまうことが申し訳なく、ずっと相談することができていませんでした。そのため、店主には昨年の年末頃からずっと連絡することができていませんでした。ですが、昨日私が出かけている際に、突然、自宅に店主が来たため、両親がお店に伺い、損害賠償の話し合いに応じて、お店側が負担した5万円を支払わされてしまいました。一連の出来事はすべて私の未熟さが起こしてしまった出来事なのですが、私がお聞きしたいことは以下の6点になります。
①親に賠償責任はあるのか?
②アルバイトでの賠償はアルバイト側が
100%支払わなければいけないのか?
また、仕事で返せなかったからといって
必ず支払わなければいけないのか?
③アルバイト先の店主とはいえ、
自宅にまで来て損害賠償請求をして良いのか?
住居侵入罪などに問えるのだろうか?
④裁判などを行わずに両親が支払わされた5万円
返してもらうことはできるのか?
⑤労働基準監督署や税務署に相談や通報は
できるのだろうか?
⑥「賠償問題に詳しい知り合いに相談している」
などの言葉を使用するのは脅迫しているのと
同じなのではないか?
①親に賠償責任はあるのか?
⇒親の賠償責任は、民法714条(責任無能力者の監督義務者等の責任)に規定するような例外的な場合でない限り、基本的にないです。
②アルバイトでの賠償はアルバイト側が
100%支払わなければいけないのか?
また、仕事で返せなかったからといって
必ず支払わなければいけないのか?
⇒報償責任(一定の結果が実現したという場合、その結果を生み出すような活動から利益を得ている者がいるとすれば、その者が損害についても負担するべきという考え方)がありますから、アルバイトが100%支払わなければいけないというものではありません。
③アルバイト先の店主とはいえ、
自宅にまで来て損害賠償請求をして良いのか?
住居侵入罪などに問えるのだろうか?
⇒認められるかどうかはともかくとして権利行使という目的があるので、住居侵入罪の成立までは難しいでしょう。
④裁判などを行わずに両親が支払わされた5万円
返してもらうことはできるのか?
⇒任意交渉だと難しいかもしれませんね。
⑤労働基準監督署や税務署に相談や通報は
できるのだろうか?
⇒労基署に相談はできると思います。
⑥「賠償問題に詳しい知り合いに相談している」
などの言葉を使用するのは脅迫しているのと
同じなのではないか?
⇒脅迫罪(刑法222条)は、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫した場合に成立します。
本件の「賠償問題に詳しい知り合いに相談している」との言辞では客体が「生命、身体、自由、名誉又は財産」に該当しないでしょう。
したがって、脅迫罪は成立しないと考えます。