不倫慰謝料請求時効の可能性と取り消し手段について。
配偶者の不貞行為が見つかり不倫相手に慰謝料請求をしています。
あと一年半で不倫が発覚してから三年が経ちますが、慰謝料請求している中、三年目を迎えたら時効になるのでしょうか?(同意書を書かせたが支払いはなし。)
又、時効になる場合その時効を取り消す手段として何が挙げられますか?
時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始めます(民法152条1項)。
今回であれば、「同意書」の内容にもよってくると思います。どのような内容について同意したのでしょうか。
土屋先生ご回答ありがとうございます。
同意書には、不倫相手の名前や住所、慰謝料〇〇万円を期日までに支払うこと(※この期日はとっくに過ぎている)、今後一切接触禁止(破った場合は罰金)です。
権利の承認があった時とは、同意書にサインをもらったときという認識で合ってますでしょうか。
そのご認識でよいと思います。
ありがとうございます。
最後に質問なのですが、その時効を取り消す手段は何かありますでしょうか。
>あと一年半で不倫が発覚してから三年が経ちますが、慰謝料請求している中、
>三年目を迎えたら時効になるのでしょうか?(同意書を書かせたが支払いはなし。)
詳細確認の必要はありますが、同意書の中で不貞慰謝料支払義務を認めるなど債務承認がなされている場合は、同意書の日付が時効の起算点になると考えられます。
>又、時効になる場合その時効を取り消す手段として何が挙げられますか?
起算点の問題は別として、時効完成目前の暫定的な措置としては、支払の催告をし、その後6か月以内に訴訟提起をするというのが一般的な方法です。
時効の効力を取り消すという制度はありませんが、時間経過のカウントをゼロに戻す制度として時効の更新、時計の針の一時進行を止めるだけでゼロに戻るわけではない制度として時効の完成猶予があります。
時効の更新の事由として典型的なものが先に案内した権利の承認です。
時効の完成猶予の事由として典型的なものが、催告です(民法150条)。
ありがとうございます。
申し訳ありません。最後にもう一つ質問させてください。
内容証明を送って相手が受け取らなかった場合はどうなりますか?
又、そのまま時効を迎えた場合、相手がもう時効だ!と、訴えてきたら今後請求することは難しいでのしょうか。
意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずるものですが(民法97条1項)、相手方によって直接受領され又は了知されることを要するものではなく、意思表示または通知を記載した書面が、相手方のいわゆる支配圏内に置かれることをもって足りると考えられます(最判昭和43年12月17日)。したがって、相手方の支配圏内に入っていれば(郵便受けに投函するなど。実際には配達証明などをつけたほうがよいでしょう。)、時効の完成猶予の効果を享受できると考えます。
その結果、催告の時効完成猶予期間の6か月の間に訴訟提起をすることで請求が可能となります。