窃盗犯罪による執行猶予の取り消しについて
現在窃盗で執行猶予中です。執行猶予の事件の前にも窃盗をしてしまいまい、その件で警察から呼び出しの手紙がきました。この場合、執行猶予が取り消しになったりするのでしょうか?
刑事事件に詳しい弁護士に直接相談してください。
有罪になった事件とその前の事件については
同時処理した場合の量刑を目指して、あとの裁判所が調整します。
一般論としては
併せて同時に審理していれば実刑だと考えれば実刑が選択され
同時に審理していれば執行猶予だと考えれば執行猶予になります。
執行猶予の取消しには、必要的取消しと裁量的取消しがあり、要件該当性を正確に判断するためには、執行猶予となった犯罪と余罪(別件)について詳しい事情を伺う必要があります。
ご投稿からは、別件の窃盗は、執行猶予期間内に犯したものではないようですので、それを前提に簡略にアドバイスしますと、別件の窃盗が示談の成立等で不起訴となれば、執行猶予取消しの要件には該当しませんので、まずはそれを目指すべきでしょう。それが難しい場合には、別件の窃盗につき、罰金刑ないし執行猶予に留まるように対応すべきでしょう。
あなたのケースで正確にアドバイスしようとすれば、執行猶予の期間(起算日と満了日)、別件の窃盗の犯行日、窃盗の捜査にかかる期間の見込み、検察庁の終局処分の時期•内容(いつ頃、公判請求•略式起訴•不起訴がなされるか)、別件窃盗が公判請求された場合の判決時期(判決確定の見込み時期)等の事情を把握する必要があり、これらの事情によって防御方針•弁護戦術も変わって来ます。
これらの相談は公開の掲示板には馴染みませんので、お住まいの地域等の刑事事件に取り組んでいる弁護士に直接相談してみることをご検討下さい。
【参考】刑法
(刑の全部の執行猶予の必要的取消し)
第二十六条 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
一 猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
二 猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。
(刑の全部の執行猶予の裁量的取消し)
第二十六条の二 次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
一 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
二 第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部の執行を猶予されたことが発覚したとき。