覗きの成立要件について

先日自宅マンション内にて落とし物を探していました。(自転車の鍵)

他人から見ると共用部に面している格子付の窓の前に少し立ち止まっていたように見えるかもしれない行動をとってしまったかもしれず心配です。

カーテン?がされていたと思いますので中は見えないですし、誓って中は見る意思もなく、また視力も悪く中も見えないのが現実です。

こう言った場合でも住人が気配を感じ覗かれたと主張した場合は覗きになるのでしょうか?

・自宅マンション敷地内(公共の場所でもない)であることや盗撮もしていないので住居侵入や迷惑防止条例にも該当しないと認識しております。

先生方のご意見を教えてください。

あえて言えば「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」(軽犯罪法1条23号)や条例違反になるかどうかが問題となりそうです。
しかし、行為そのものが、「他人から見ると共用部に面している格子付の窓の前に少し立ち止まっていたように見えるかもしれない行動」にすぎず、「のぞき見た」にそもそもあたらないでしょう。
今回の件は、問題ないと考えてよいと思います。

土屋先生回答ありがとうございます。

マンション敷地内でも迷惑防止条例が成立しうるのでしょうか?お手隙の際に教えていただければ幸いです…

条例には盗撮については文言が記載されていますがのぞきについては文言はなく、公共の場所で卑猥な行動について記載があるのみです。

また、住人が『のぞいた!』と主張すればのぞき扱いなのでしょうか?心配です。

ご相談者様が兵庫県にお住まいと見受けられるので、兵庫県の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例における該当箇所と思われる条文を引用します。

(卑わいな行為等の禁止)
第3条の2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
(2) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
2 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
(2) 前項第2号に掲げる行為
3 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

ご相談者様が心配している「他人から見ると共用部に面している格子付の窓の前に少し立ち止まっていたように見えるかもしれない行動」は、上記条例のどの条文にも当たらないと考えます。

住人が『のぞいた!』と主張すればのぞき扱いなのでしょうか?心配です。
⇒そのようなことはないです。客観的証拠(防犯カメラなど)に依拠せず住人の供述のみで捜査を進めることについて、捜査機関は慎重だと思います。

回答ありがとうございます。
本条例は住宅に対してでも盗撮行為をしたときには適用されると考えられるのでしょうか?

それとも敷地内は公共の場所でもないため基本的に適用されないという考え方が正しいのでしょうか?

また現場にカメラはないのですがあった場合はどのような態様がのぞきとなりうるのでしょうか?

ご経験より教えていただければ幸いです。
(滞在時間等でしょうか?)
質問が多く申し訳ありません、この質問で最後にさせていただきますので何卒よろしくお願いいたします。

本条例は住宅に対してでも盗撮行為をしたときには適用されると考えられるのでしょうか?
それとも敷地内は公共の場所でもないため基本的に適用されないという考え方が正しいのでしょうか?
⇒まず、兵庫県の迷惑防止条例の第3条に「公共の場所」の定義がなされています。

第3条 何人も、道路、公園、広場、駅、空港、埠ふ頭、興行場、飲食店その他の公衆が出入りすることができる場所(以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他公衆が利用することができる乗物(以下「公共の乗物」という。)において、多数でうろつき、又はたむろして、通行人、入場者、乗客その他の公衆に対して、言い掛かりをつけ、すごむ等の不安を覚えさせるような言動をしてはならない。

マンションの共用部分から専有部分に対して盗撮行為を行った場合、マンションの共用部分がマンションの住人やマンションに何らかの用事がある不特定多数の人間が出入りする部分であることに着目すれば、マンションの共用部分は、公衆が出入りすることができる場所といえ、「公共の場所」と考えられそうです。

また現場にカメラはないのですがあった場合はどのような態様がのぞきとなりうるのでしょうか?
窓にへばりつくなどして内部を凝視する、一定時間窓の外に立ち内部をみるなどの行為がのぞきになる可能性があります。

先生ありがとうございます。ほんとに最後にしますので少し食い違いがあるようで確認させてください。

公共の場所等についてのお考えありがとうございます。ただ、公共のの場所は、有償無償を問わず誰でも自由に立ち入れる場所や、個人の私有地以外と解釈するのが割とネットでの他サイト専門家の皆様の意見では多い気がするのですがいかがでしょうか?
大分県で2018年に盗撮をしても公共の場所に当たらず不起訴になった案件がありました。
(なんらかの用事があり立ち入ることが妥当であるだけで他の例示されている公共の場所と同等というのはいささか難しい気がしまして。→それらを公衆とまで言えるのかな という観点です。)

すみません、話が逸れてしまいましたが当然盗撮等は行なっていないのですが公共の場所と考える場合、窓の前に立っていることが場合によっては本条例違反になりうる ということでしょうか?

あくまでこう考えられるのではないか、という一案なので、そのようにご理解ください。

当然盗撮等は行なっていないのですが公共の場所と考える場合、窓の前に立っていることが場合によっては本条例違反になりうる ということでしょうか?
⇒繰り返しで恐縮ですが、盗撮は行っていないのであれば、兵庫県迷惑防止条例第3条の2には当たらないと考えます。

以上で終了いたします。

土屋先生

お忙しいなかありがとうございました。