児童売春と実名報道について

児童売春で逮捕されてしまった場合、やはり大学生ですと実名報道されてしまう可能性は高いのでしょうか?
(初犯、出会い系サイトで会った人にお金を払い性行為をした、メッセージ内で18歳未満であることは言われていない、かなり有名な大学に在籍している、という状態です)

まず、少年のときに犯した罪については,少年の更生への影響を踏まえ、氏名,年齢,職業,住居,容ぼう等によって犯人が誰であるかが分かるような記事・写真等の報道(推知報道)が禁止されています(少年法第61条)。
 ただし、近時の少年法の改正により、18歳以上の少年(特定少年)のとき犯した罪については,氏名,年齢,職業,住居,容ぼう等によって犯人が誰であるかが分かるような記事・写真等の報道(推知報道)は原則として禁止されるものの,逆送されて起訴された場合(非公開の書面審理で罰金等を科す略式手続の場合は除く。)には,その段階から,推知報道の禁止が解除されています。
 ご投稿内容からしますと、大学生ということですから、18歳•19歳であれば、特定少年にあたる可能性がありますので、少年法の推知報道の原則禁止が適用され、実名報道の対象とはならない可能性があります。
他方、20歳以上の場合、少年法は適用されないものの、全ての事件が実名報道されているわけではなく、実名報道なされずに事件処理がなされるケースも多くあります。

【参考】少年法改正Q&A(法務省サイト)
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji14_00017

【参考】少年法
第六十一条 家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。

第六十八条 第六十一条の規定は、特定少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合における同条の記事又は写真については、適用しない。ただし、当該罪に係る事件について刑事訴訟法第四百六十一条の請求がされた場合(同法第四百六十三条第一項若しくは第二項又は第四百六十八条第二項の規定により通常の規定に従い審判をすることとなつた場合を除く。)は、この限りでない。

清水先生、ありがとうございます。
現在20歳(来月で21歳)です。20歳以上の大学生がした児童売春でも報道されなかった事例というのはあるのでしょうか……?

逮捕されると、自動的に事案が報道機関に流されるシステムで、あとは各報道機関の判断になります。
 大都市であれば、児童買春1回で逮捕された事例だと、ニューズバリューがないので、ほとんど報道されません。
 報道事例は大会社・公務員・有名人中心になっています。
 有名大学の場合というのは、報道はありますが、法律相談でもないので、新聞記事検索で調べてみて下さい。

奥村先生、ありがとうございます。
最後に1つだけ質問させてください。
仮に報道機関が実名報道しようとするようなニュースであったとき、逮捕されると自動的に事案が報道機関に流されるということは、逮捕後すぐに弁護士の先生に実名報道を避けるような意見書的なものを提出してもらえば、少しは報道の確率を下げることはできるのでしょうか?

逮捕後すぐに弁護士の先生に実名報道を避けるような意見書的なものを提出してもらえば、少しは報道の確率を下げることはできるのでしょうか?
→ 報道が先に出てしまうので報道を止める余地がないと思います。そういう宣伝をしている弁護士がいればそちらに聞いて下さい。逮捕前であれば逮捕を避ける弁護活動の方が有効です。