2人代表取締役の株主総会について
2人代表取締役会社です。お互い招集に賛成しないので、お互い別々に強引に株主総会を開く事になりそうです。その場合、法務局登記はどうなるのでしょうか? 早いもの勝ち? それとも後に出せば良いのか?
>2人代表取締役会社です。お互い招集に賛成しないので、お互い別々に強引に株主総会を開く事になりそうです。
→ 取締役会非設置会社で取締役が複数いる場合、取締役の過半数の賛成により、株主総会の招集が決定されます。
あなたの会社は取締役会非設置会社で取締役が二人のため、取締役の過半数の賛成の要件を満たさない状況という理解でよろしいでしょうか。
次に、あなたの会社の株主構成はどうなっていますでしょうか。
あなたが株主による招集請求権の要件をみたす株主である場合やあなたに協力する株主が要件をみたす程度いる場合、会社法の定める株主による招集請求の制度を利用して株主総会を開催する方法が考えられます。
すなわち、総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、取締役に対して、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができます(会社法297条1項)。
そして、株主からの株主総会の招集請求があったにもかかわらず、遅滞なく招集の手続が行われない場合には、第1項の規定による招集請求をした株主は、裁判所の許可を得て株主総会を招集することができます(会社法297条4項)。
なお、代表取締役である立場を利用し、各自で強引に株主総会を開催したような場合、判例(※)に照らせば、株主総会決議の取消事由等になり得るため、ご留意下さい。
※ 最判昭和46年3月18日の要旨
「株主総会招集の手続が、その招集につき決定の権限を有する取締役会の有効な決議に基づかないでなされたものであるのみならず、その招集の通知が、すべての株主に対して法定の招集期間に二日足りない会日より一二日前になされたものであるときは、右株主総会招集の手続には、右総会の決議の取消請求を裁量棄却することの許されない重大なかしがあるというべきである。」
あなたの会社の機関設計(取締役設置会社か否か、取締役の人数は何人か等)や株主構成等により、適用される会社法のルールが異なるため、取るべき対応も異なって来ます。
そのため、お住まいの地域等の弁護士に直接相談し、あなたの会社の状況に合ったアドバイスを受けてみることをご検討下さい。