弁護士職務規定に反する代理人の対応とは?

代理人弁護士が職務規定第21及び22条に抵触していると考えられるケースについてご教示頂きますようお願い致します。
此方が主張書面を提出したいと伝えても、面倒な様子で作成せず、此方で書面案や書証を準備しても、内容が此方の意向に反するものである場合に、正当な解任理由として弁護士職務規定に反するためである、と言えますか?

委任契約解除自体は、特に理由なく可能ではなないでしょうか。
依頼している弁護士が相談者様の意思どおりにしてくれない理由が、面倒であるからというのであれば、理由があると考えられますので、この場合委任契約を解除することにより、損害賠償請求を受けることもないのではないでしょうか。
ただし、セカンドオピニオンを確認するためにも、別の弁護士に相談されることをおすすめします。

法テラスを利用している等の事情がなければ、委任契約において通常はいつでも解約できるという規定になっているのではないかと思いますが、念のためその弁護士との間の委任契約書を確認してみられた方がよいと思います。法テラスを利用しない通常の委任契約の場合は、弁護士職務規定に違反しているという理由ではなく、信頼関係の維持が困難であるという理由でどちらからでも解任・辞任できるようになっていると思われます。
もっとも、弁護士が書面を出さない理由が、面倒であるだけでなく、その書面が相手に対する侮辱的・脅迫的表現を含むため、などである場合もありますので、なぜ以降に沿った書面の提出をしてくれないのか、の理由確認は必要でしょう。

ご回答いただきましてありがとうございます。此方が用意している書面内容は、全く相手を侮辱するような内容ではありませんが、代理人自身が「長引くから、こちらが多少の損がでても別にいいのではないか」と仰っているので、職務規程21条に反するのではないかと考えています。そうであれば、着手金などの一部返還請求ができないものでしょうか?(受任2ヶ月で期日1回)

そもそも弁護士職務基本規程は懲戒請求の場面で該当性を判断されるべきものですので、個別の委任契約に基づく職務内容の妥当性において、当事者の一方の意見で判断されるべきものではありません。その代理人としても、長期的に見た利益と損失の兼ね合いでそのようなアドバイスをされているのか、単に面倒なだけなのかはここでの相談では分かりかねます。
着手金の返還というのは通常の委任契約ではあまり想定される事態ではないので、その弁護士と個別に話し合うしかないでしょう。

どのような事件処理をどの程度の時間をかけて行っているかなど、具体的な事情を聞かないことには着手金の(一部)返還の可能性があるかどうかは、判断できないと思います。基本的には着手金は返ってこないと思ったほうが良いでしょう。

井上先生、磯野先生、丁寧なご教示をいただきましてありがとうございました。
大変参考になりました。