この場合借主が費用を負担する必要がありますか?

今月会社を退職してその際に4年間住んでいた社宅の退去手続きを行いました。
社宅は木造で築年数が15年以上で壁も薄く入居した時にお風呂場の浴槽の外側部分がカビが生えていたりお手洗いも水漏れ等がありました。
去年の10月くらいからお風呂から上がってマットの上に立った時に木の床が軋む音がして古い建物だからかなと思って特に気にしていませんでした。
今年に入って床が剥がれてきていることに気付いて不動産の方にご連絡して足を運んで頂いた際に床を剥がされた後に『木が腐食している状態で一度専門の業者方に来て頂いて見積もりして貰いましょう』というお話になって私が『今月引っ越しするので引っ越し費用がかかるので社宅の修繕費の支払いとなると厳しいです』と伝えた所不動産の方が『不動産が出すので払わなくていいです』と言われてその日は帰られました。
一週間後5人専門の業者の方が見積もりに来られて帰り際に『不動産の方から費用は安く抑えて欲しいと言われてるから』と言われて5人それぞれ意見を出して話し合って帰られました。
今月の27日に私が退去するのですがその際に払って下さいと言われたら支払う必要はありますか?

業者の方は『木の床を全部剥がして新しいタイルを貼り替える』と仰っていました。その際に私がお風呂のドアも木で出来ていて水を吸収して木が膨張してドアが閉まらない事を私がお伝えしたので業者の方もドアは新しく付け替えた方が良いですねとお話しされていたので費用請求されたら高額になるか心配で…。
ご回答お待ちしております。

ご記載の不具合は通常損耗ないし経年劣化に該当するものと考えられます。
社宅については、社宅使用料の金額により、使用貸借と考えられる場合と賃貸借と考えられる場合があり、借主の原状回復義務の範囲は使用貸借と賃貸借とで異なります。
賃貸借では原状回復につき「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く」という限定があり(621条)、判例も、通常損耗について借主に負担させるためには,借主が補修費を負担することになる損耗の範囲につき,契約書に具体的に明記されるなどして明確な合意があることが必要としています。
これに対し、使用貸借では通常損耗等が原状回復の対象外であることは明示されておらず(599条3項)、個々の使用貸借契約の解釈によって定まると考えられています。
以上を前提にご相談者様が費用を負担すべきかを判断することになりますが、ご相談者様は費用を負担する必要があると理解されていなかったようですので、まずは、費用を負担できない旨主張されることになるのだと思います。

社宅とのことですが、大家と契約している借主は会社でしょうか。
仮にそうであれば、まずは、会社と大家との話になります。
その後、会社から請求される可能性があるかどうかは社内規定によります。