探偵報告書のコピー禁止違反と不法侵入に関する問題
慰謝料請求をされており、金額の妥当性を確認するため探偵報告書の提示を求めたところ、送付されてきました。(弁護士はつけていません。個人宅に届きました。)
1)複製のコピーを禁止、と書かれていますが、明らかにコピーされたものが届きました。
これは、探偵事務所から相手方に損害賠償を問う事由になりますか?
2)当方、オートロックなしのマンションです。写真には玄関から撮影した表札の写真がありました。不法侵入となりますか?
3)旅館に宿泊した際、庭園で一緒にいる写真を複数枚撮られました。しかし、その日旅館は予約でいっぱいだったため、夕方から尾行を開始した探偵は予約ではなく、一時的に旅館に入り撮影したと思われます。
(庭園は予約者以外も入れなくはないですが、旅館の私有地です。なりすましで入ることは可能)
この場合、探偵の行為は不法侵入となりますか?
各事実について、合理的な理由があるか慰謝料請求の減額事由にはなり難いと考えられ、ご相談者様が示す事実を争点化するのは得策ではないと思います。
慰謝料請求されているということであれば、弁護士に相談され、適切な争点(相手方の主張を排斥できる主張)を探していくことが良いのではないかと考えます。
土屋先生
ありがとうございます。こちらの言葉足らずでした。
減額事由と成り得るかではなく、1~3の行為が法で罰せられる可能性があるのかを確認したいと思っております。
・1について
探偵の報告書に記載されている文言にもよりますが、通常、証拠として相手方や裁判所に提出が予定されている報告書の性質からすると、合理的な理由のある複製といえ、探偵事務所から相手方に損害賠償請求することは難しいと考えます。
・2について
撮影した場所にもよりますが、住居侵入罪にあたる可能性自体はあるでしょう。
しかし、望遠レンズを用いて写真撮影しているケースが想定され、また、オートロックがないということであれば、オートロックありの場合よりも、住居権者の許諾なく住居に接近できる範囲が広がりを持ちそうです。そうすると、玄関から撮影した表札の写真があることで住居侵入罪該当性を論じるのは慎重になるべきと考えます。
・3について
建造物侵入にあたる可能性はありますが、探偵が当該庭園に入った手段が不明(予約をとったのかもしれません。)であるため、これも慎重になるべきと考えます。
土屋先生
詳細に教えてくださり、誠にありがとうございました。大変勉強になりました。
慎重に進めたいと思います。